【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における5月 20日時点の大口投機家の売り越しは498万9654枚となり、前週の456万 2733枚から拡大した。取組高合計は4755万9668枚となり、前週から55万 6050枚(1.2%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が0.7%減、債券 合計が1.5%増、為替合計が1.1%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 2.3%増、エネルギー合計は2.3%減、金属合計は2.8%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買い、買い戻しが 入って売り越しを縮小、債券で手じまい売り、新規売りが出て売り越しを拡大した。為 替は手じまい売り、新規売りが出て買い越し(ドル売り)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、ムーディーズの米国債格下げや米20年債入札の需要の弱さ、米下院で可決 された税制・歳出法案で連邦債務が増加する見通しとなり、財政不安が高まった。また トランプ米大統領は欧州連合(EU)や米アップルに対する関税について警告し、貿易 に対する懸念が出た。米国と各国の貿易協議の行方を確認したい。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が16万7330枚買い越し(前週17万 2268枚買い越し)、ユーロは7万4453枚買い越し(同8万4774枚買い越 し)、英ポンドは2万3993枚買い越し(同2万7216枚買い越し)となった。ユ ーロは手じまい売り、新規売り出て買い越しを縮小した。 商品市場では、原油が米国とイランの核開発協議が再開したことや石油輸出国機構 (OPEC)プラスの追加増産検討を受けて売り優勢となった。金は米国の財政不安を 受けて買い優勢となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が18万6420枚買い越し(前 週18万5301枚買い越し)に拡大した。新規買いが新規売りを上回った。ニューヨ ーク金は16万3981枚買い越し(同16万1209枚買い越し)、ニューヨーク・ プラチナは1万7396枚買い越し(同9316枚買い越し)に拡大した。金は買い戻 しが手じまい売りを上回り、プラチナは新規買い、買い戻しが入った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが1万1552枚売り越し(前週1万8106 枚買い越し)に転じ、大豆は4万7913枚買い越し(同6万5178枚買い越し)に 縮小した。コーンは新規売りが新規買いを上回り、大豆は手じまい売り、新規売りが出 た。前週のコーンは、米産地の荒天やドル安を受けて買い優勢となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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