【これからの見通し】昨日の米ADPに対する反応大きく明日の米雇用統計の注目度上昇 ECB理事会はどうか

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】昨日の米ADPに対する反応大きく明日の米雇用統計の注目度上昇 ECB理事会はどうか

 昨日のNY市場では米ADP雇用統計の弱さに市場が敏感に反応した。市場だけではなく、トランプ米大統領も(利下げが)遅すぎる!とパウエル米FRB議長に対する怒りをぶちまけていた。最近のマーケットではトランプ米大統領の発言自体に対する反応は消化されてきている感がある。むしろ、トランプ関税が米国などの実体経済に与える影響が注目されているようだ。昨日の米ADP雇用統計に対する反応にその変化が見て取れる。米雇用市場の弱体化はトランプ政権にとっての命取りともなり得る。その意味で、明日の米雇用統計の強弱に対する市場の関心度は高まっているといえそうだ。

 それに先立って、本日は米貿易収支(4月)が発表される。トランプ関税の影響がどのように出てくるのかが注目される。市場予想は660億ドル赤字と、前回の記録的な1405億ドルの赤字から半減以下となる見込み。前回はトランプ相互関税前の駆け込み的な米企業の輸入増が示されていたが、今回はその反動が出るものと予想されているようだ。今日の結果に市場がどのような反応を示すのかが注目される。

 また、本日はECB理事会が金融政策を発表する。市場では25bp利下げがコンセンサスとなっている。これで8回目の利下げとなる。今回ECB預金金利が2.00%に引き下げられることになれば、市場が想定する中立金利水準に入ってくることになる。市場の関心は次回以降の金利動向に移ってきているようだ。ラガルドECB総裁会見では各メンバーの意見集約が困難な状況が示されそうだ。また、今回はメンバーの成長およびインフレ見通しも発表される。市場では前回3月からいずれも下方修正される観測が広がっている。一部報道ではラガルド総裁が早期辞任を考えていることが話題になっていた。今回の会見での質疑応答対応もチェックしておきたい。

 その他の指標発表は、英建設業PMI(5月)南ア経常収支(2025年 第1四半期)ユーロ圏生産者物価指数(PPI)(4月)米チャレンジャー人員削減数(5月)米非農業部門労働生産性指数(確報値)(2025年 第1四半期)米新規失業保険申請件数(05/25 - 05/31)カナダ国際商品貿易(4月)カナダIvey購買部協会指数(5月)など。明日の米雇用統計を前に米新規失業保険申請件数の結果も注目されそうだ。市場予想は23.5万件と前回24.0万件からやや減少する見込み。

 発言イベント関連では、ラガルド会見のほかにもグリーン英中銀委員、ブリーデン英中銀副総裁などの講演、クーグラーFRB理事、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、シュミッド・カンザスシティ連銀総裁などの講演が予定されている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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