ドル円、144円付近まで一時上昇 米中協議進展への期待=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は再び上値追いの動きを見せ、144円付近まで一時上昇。本日は米中首脳が電話会談を行ったが、それについてのトランプ大統領の発言に反応していたようだ。トランプ大統領は、両国の代表団がまもなく協議開始で合意したことを明らかにした上で、問題となっていたレアアースの製品を巡って「中国との間でもう疑問ない」と述べたことに市場は反応していた。米中協議の進展を期待させる発言でもあったことから、市場もひとまずポジティブに反応している模様。 ただ、トランプ関税に米財政への不透明感が重なり、ドル離れの議論は7月以降の下半期も継続との見方は根強い。米経済の強さにも疑問が生じ始めている中、G10通貨の中でも円は資産配分戦略における勝者となる可能性があるとの指摘も聞かれる。 過去10年との比較であれば好転を見せている日本の景気サイクル、正常化しつつある日銀の金融政策、そして安定した制度基盤に支えられ、円の魅力は高まっているという。守りを重視したポジショニングが円に対する強気な見方を後押しし、割安さや歴史的に低水準にある点も追い風だと述べている。 本日はECB理事会が開催され、大方の予想通りに0.25%ポイントの利下げを決定した。ラガルド総裁はその後の会見で、今回の利下げサイクルは完了に近いとの認識を示していた。その発言を受けてユーロドルは1.15ドル付近まで上昇していたが、1.15ドルを回復することなく伸び悩む展開。 ECBはインフレや成長の見通しを下方修正しており、関税の影響も不確実なことから、追加利下げの選択肢も残している。エコノミストの間では、なお9月以降にもう1回の利下げとの見方が多い。 ドル円は再び上値追いの動きを見せており、143.75円付近まで上昇している。本日は米中首脳が電話会談を行ったが、それについてのトランプ大統領の発言で、下落していた米株式市場がプラスに転じたことでドル円も呼応しているようだ。 トランプ大統領は、両国の代表団がまもなく協議開始で合意したことを明らかにした上で、問題となっていたレアアースの製品を巡って「中国との間でもう疑問ない」と述べたことに市場はポジティブな反応を見せている。 米中協議の進展を期待させる発言でもあったことから、市場もひとまずポジティブに反応しているようだ。 トランプ関税に米財政への不透明感が重なり、ドル離れの議論は7月以降の下半期も継続されると見られている。米経済の強さにも疑問が生じている中、G10通貨の中でも円は資産配分戦略における勝者となる可能性があるとの指摘も聞かれる。 過去10年との比較であれば好転を見せている日本の景気サイクル、正常化しつつある日銀の金融政策、そして安定した制度基盤に支えられ、円の魅力は高まっているという。守りを重視したポジショニングが円に対する強気な見方を後押しし、割安さや歴史的に低水準にある点も追い風だと述べている。 本日はECB理事会が開催され、大方の予想通りに0.25%ポイントの利下げを決定した。ラガルド総裁はその後の会見で、今回の利下げサイクルは完了に近いとの認識を示していた。その発言を受けてユーロドルは1.15ドル付近まで上昇していたが、1.15ドルを回復することなく1.14ドル台前半に伸び悩む展開。 ECBはインフレや成長の見通しを下方修正しており、関税の影響も不確実なことから、追加利下げの選択肢も残している。エコノミストの間では、9月以降にもう1回の利下げとの見方は多い。一方、ECB当局者は7月の理事会で、これまで続けてきた利下げの休止を視野に入れているとの報道も伝わっていた。 きょうもポンドドルは買いが強まり、一時1.36ドル台に上昇。2022年2月以来の高値水準を更新した。ポンドドルは力強い上昇が続いているが、オプション市場では更なる上値追いに慎重になっている気配も見せている。さすがに高値警戒感も強まってきているようだ。 本日は英統計局(ONS)が4月の英消費者物価指数(CPI)を0.1%ポイント過大に算出していたことを明らかにしていた。車両税に関する数値の誤りが原因。4月の英CPIは前年比3.5%上昇となっていたが、3.4%だったという。 4月のCPI発表時に市場は敏感に反応し、短期金融市場でも利下げ期待を後退させていた。ただ、本日のONSの発表後も市場の期待にほとんど変化は見られず、年内1回の利下げを織り込んでいる状況。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。