石油週間展望=レンジ上限を伺う展開、支援材料が優勢

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
           [6月9日からの1週間の展望]
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         週間高低(カッコ内は日付)     6 月 2 日〜 6 月 6 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限   78,000    78,000( 2)    73,000( 6)   73,000    -11,000
灯  油  先限   79,000    79,000( 2)    76,000( 5)   76,000     -5,000
原  油 11月限  54,460    56,580( 5)    53,250( 2)   56,150     +1,750
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                                        6 月 2 日〜 6 月 6 日
<海外原油> 週間4本値 始 値  高  値     安 値     終 値   前週末比
  NY原油  7 月限    61.11    64.80( 6)   61.06( 2)  64.58    +3.79
ブレント原油  8 月限    63.20    66.67( 6)   63.00( 2)  66.47     +3.69
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6日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 144.07 前週末比 0.27円の円安
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【前週のレビュー】ニューヨーク原油7月限は60〜65ドルのエリアでのもみ合い。
目先はこれをどちらに放れるのか、あるいはしばらくこのエリアでのもみ合いが続くの
かが焦点となるとした。

【NY原油はもみ合いレンジの上限を伺う展開】
 ニューヨーク原油7月限は引き続き60〜65ドルのエリアでのもみ合いとなってい
るが、このところはその上限に近い64ドル近辺を通るボリンジャーバンドの2シグマ
を試す展開となっている。まだ5月21日の高値である64.19ドルを上抜けるには
至っていないが、目先はこれを上抜けるのか否かが注目される。

 材料的には、直近に実施された米中電話首脳会談で、両国間の貿易摩擦やレアアース
(希土類)が議論されて、通商交渉団が近く協議を持つことが明らかにされたことで、
貿易問題に対する協議の進展が期待されている。ただ6日に5月の米雇用統計の発表を
控えていることもあり、原油は一気に上値を更新するような急伸とはならなかった。

 それ以外の材料としては、石油輸出国機構(OPEC)プラスが7月に日量41万
1000バレルの増産で合意したことについては、もっと大幅増が予想されていたとの
見方で無理やり強材料視された感があったが、カナダの産油地アルバータ州で発生した
山火事による供給懸念、イランが核開発問題を巡る米政府の提案を拒否する構えを見せ
ていることなど、どちらかと言えば支援材料の方が多くなっている。
 なお、米大手金融機関、ゴールドマンサックスは、OPECプラスの増産は8月まで
同規模で続き、8月が最後になるとの見通しを明らかにしている。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は4万2000ドルを挟んだもみ合い
の様相となっている。
 ドルインデックスは100ポイント台を割り込み、99ポイントを挟んだもみ合いに
レンジダウンしてきた。

【アジア向け7月積みのOSPを軒並み引き下げ=サウジアラムコ】
 サウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコは4日、アジア向けの7月積み公式
販売価格(OSP)フォーミュラを発表したが、スーパーライト原油、エクストラライト
原油、ライト原油をすべて0.20ドル引き下げ、ミディアム原油も0.10ドル引き
下げた。ライト原油は1.20ドルのプレミアムとなった。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である11月限はボリンジャーバンドの−1シグマ(5万4770
円辺り)割れから戻して来たが、直近は21日移動平均線であるボリンジャーバンドの
中心線(5万5840円辺り)を挟んだもみ合いとなっている。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油7月限はボリンジャーバンドの中心線(61.60ドル辺り)を支
持線としたもみ合いから上昇して、1シグマ(62.90ドル辺り)を挟んだもみ合い
となっているが、2シグマ(64.21ドル辺り)を上抜けるような勢いはない。

 ブレント原油8月限も似た値動きとなり、直近はボリンジャーバンドの1シグマ
(65.27ドル辺り)を挟んだもみ合いとなっている。

<当面の予定>
 8日【経済】国内総生産 2025年1-3月期2次速報(内閣府)
   【経済】国際収支(経常収支) 2025年4月(財務省)
   【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 2025年5月(財務省)
   【経済】景気ウォッチャー調査 2025年5月(内閣府)
   【経済】中国消費者物価指数 2025年5月(国家統計局)
   【経済】中国生産者物価指数 2025年5月(国家統計局)
   【経済】中国貿易収支 2025年5月(税関総署)
   【経済】米卸売在庫 2025年4月確報値(商務省)

 9日【経済】マネーストック 2025年5月(日本銀行)
   【経済】英雇用統計 2025年5月(国立統計局)
   【工業】米週間石油統計(API)

10日【経済】企業物価指数 2025年5月(日本銀行)
   【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米消費者物価指数 2025年5月(労働省)
   【経済】米財政収支 2025年5月(財務省)
   【工業】米週間石油統計(EIA)
   【工業】短期エネルギー見通し・月報(EIA)

11日【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 6月1日-6月7日(財務省)
   【経済】英貿易収支 2025年4月(国立統計局)
   【経済】英鉱工業生産指数 2025年4月(国立統計局)
   【経済】英製造業生産指数 2025年4月(国立統計局)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)
   【経済】米生産者物価指数 2025年5月(労働省)

12日【経済】鉱工業生産指数 2025年4月確報(経済産業省)
   【経済】第3次産業活動指数 2025年4月(経済産業省)
   【経済】ユーロ圏鉱工業生産 2025年4月(EUROSTAT)
   【経済】ユーロ圏貿易収支 2025年4月(EUROSTAT)
   【経済】独消費者物価指数 2025年5月確報(連邦統計庁)
   【経済】仏消費者物価指数 2025年5月確報(INSEE)
   【経済】米消費者信頼感指数 2025年6月速報値(ミシガン大)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
     【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

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