【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における6月3 日時点の大口投機家の売り越しは489万2224枚となり、前週の496万0047 枚から縮小した。取組高合計は4647万6407枚となり、前週から131万 9969枚(2.8%)減少した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が0.7%増、債券 合計が5.2%減、為替合計が4.3%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 0.8%増、エネルギー合計は2.0%増、金属合計は0.1%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売り、新規売 りが出て売り越しを拡大、債券で新規買い、買い戻しが入って売り越しを縮小した。為 替は新規売りが新規買いを上回って買い越し(ドル売り)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムに対する関税を50%に引き上げ た。ただ米中首脳の電話会談を受けて貿易交渉が進むとの期待感が高まった。米中は9 日にロンドンで通商問題を巡り協議する見通しとなった。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が15万1149枚買い越し(前週16万 4012枚買い越し)、ユーロは8万2764枚買い越し(同7万9474枚買い越 し)、英ポンドは3万5215枚買い越し(同3万5379枚買い越し)となった。ユ ーロは買い戻しが手じまい売りを上回って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油が地政学的リスクや米中首脳の電話会談、予想以上の米雇用統計 を受けて堅調となり、4月24日以来の高値64.80ドルを付けた。金は弱い米経済 指標や米大統領が鉄鋼やアルミニウムに対する関税を50%に引き上げることを表明し たことが支援要因になったが、米中首脳の電話会談などを受けて利食い売りが出て上げ 一服となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が16万7957枚買い越し(前 週16万5694枚買い越し)に拡大した。新規買いが新規売りを上回った。ニューヨ ーク金は18万7905枚買い越し(同17万4184枚買い越し)に拡大、ニューヨ ーク・プラチナは2万0049枚買い越し(同2万5343枚買い越し)に縮小した。 金は新規買い、買い戻しが入り、プラチナは手じまい売り、新規売りが出た。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが8万1059枚売り越し(前週2万0333 枚売り越し)に拡大、大豆は5万9947枚買い越し(同7万2561枚買い越し)に 縮小した。コーン、大豆ともに手じまい売り、新規売りが出た。前週のコーンは、大豆 や原油の上昇、ドル安、米産地の天候懸念を受けて買い優勢となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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