今週の【早わかり株式市況】3週続伸、中東リスク急減と半導体株高で4万円回復

配信元:株探
著者:Kabutan
■今週の相場ポイント
 1.日経平均は3週続伸、5ヵ月ぶり4万円回復
 2.イスラエル・イラン停戦、中東リスク急減
 3.一転リスクオンに、買い戻しの動き強まる
 4.エヌビディア最高値、ハイテク株全般に買い
 5.国内の半導体関連株も上昇、全体相場を牽引

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比1747円(4.6%)高の4万0150円と、3週連続で上昇した。

 今週も引き続き中東情勢を意識する展開かと思われたが、急転直下でイスラエルとイランが停戦合意に至った。これを受け投資家のセンチメントが急改善し、リスクオンの地合いに。米ハイテク株高も追い風に日本株は大きく水準を切り上げた。

 23日(月)の東京株式市場は小幅安。週末の間に米国がイランの核施設に軍事攻撃を仕掛けたことを受け、中東情勢への懸念が拡大。週明けの日本株はリスク回避ムードに包まれた。24日(火)は反発。この日の日本時間朝方にトランプ米大統領が自身のSNSでイスラエルとイランが停戦で合意したと発表。一転して中東情勢への懸念が急速に減退し、空売り筋の買い戻しを誘発して全体相場は大きく切り返した。25日(水)も上昇。引き続きリスク選好ムードが続いた。26日(木)は大幅高。前日の米国株市場でエヌビディアが約5ヵ月半ぶりに史上最高値を更新し注目を浴びた。他のハイテク株にも買いが流入し、ナスダック総合株価指数は3日続伸と強さを発揮した。これを受け、東京市場でも半導体関連を中心に主力銘柄が幅広く上昇。日経平均は終値で3万9000円台を回復した。株高の勢いは止まらず、27日(金)も大幅高。エヌビディアを筆頭に米ハイテク株高の流れが続くなか、日本株にも引き続き追い風が吹いた。トランプ米大統領が26日に中国と貿易に関する合意に署名したと述べたことや、米相互関税の国別上乗せ部分の猶予期限(7月9日)についてホワイトハウス報道官が延長を示唆したことが伝わり、これも買い安心感につながり相場を後押しした。東京エレクトロン <8035> [東証P]、ディスコ <6146> [東証P]といった半導体製造装置関連株が引き続き全体を牽引し、日経平均は約5ヵ月ぶりに4万円大台を回復した。

■来週のポイント
 来週は日経平均4万円回復・年初来高値を更新したことからの目先達成感による売りが警戒される。ただ、押し目待ちの需要も大きいことが想定され、急落するような展開にはなりにくいと思われる。一方、9日に控える米国との相互関税の一時停止措置の終了が不安定要因となり得るため、日米交渉の行方には注意したい。また、米ハイテク株上昇の背景となっている米利下げ期待の動向もポイントになりそうだ。

 重要イベントとしては、国内では30日朝に発表される5月鉱工業生産、7月1日朝に発表される日銀短観、4日朝に発表される5月全世帯家計調査が注目される。海外では30日に発表される中国6月製造業PMI、1日に発表される米国6月ISM製造業景気指数、2日に発表される米国6月ADP雇用統計、3日に発表される米国6月雇用統計、米国5月貿易収支、米国6月ISM非製造業景気指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(6月23日~6月27日)

【↓】   6月23日(月)――  3日続落、中東情勢懸念でリスク回避の売り優勢
 日経平均 38354.09(  -49.14)  売買高15億7090万株 売買代金 3兆8328億円

【↑】   6月24日(火)――  4日ぶり急反発、中東リスクが後退し買い優勢
 日経平均 38790.56( +436.47)  売買高15億8002万株 売買代金 4兆2040億円

【↑】   6月25日(水)――  続伸、中東懸念後退でほぼ高値引け
 日経平均 38942.07( +151.51)  売買高15億8250万株 売買代金 4兆2028億円

【↑】   6月26日(木)――  3連騰、半導体関連が買われ3万9000円台回復
 日経平均 39584.58( +642.51)  売買高18億3014万株 売買代金 4兆9217億円

【↑】   6月27日(金)――  4日続伸、ハイテク株が買われ4万円大台回復
 日経平均 40150.79( +566.21)  売買高22億84万株 売買代金 5兆9221億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、25業種が値上がり
 (2)値上がり率トップはフジクラ <5803> 非鉄。素材株は太陽HD <4626> など化学も上昇した
 (3)レーザーテク <6920> など電機、ディスコ <6146> など機械、川重 <7012> など輸送用機器といった輸出株も大きく買われた
 (4)野村 <8604> など証券、東京海上 <8766> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株も堅調
 (5)内需株はまちまち。OLC <4661> などサービス、ソフトバンクG <9984> など情報通信が高いが住友不 <8830> など不動産は安い
 (6)原油市況の下落でINPEX <1605> など鉱業が値下がり率トップ。ENEOS <5020> など石油も値下がり

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
 1(3) 防衛 ── 中東リスク後退も世界的な防衛強化は加速へ
 2(5) 人工知能 
 3(6) 半導体 ── 米エヌビディアは連日で最高値更新
 4(2) 仮想通貨 
 5(1) ドローン 
 ※カッコは前週の順位

株探ニュース

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