石油週間見通し=OPEC+発表で戻りは短命、イラン再攻撃の可能性に注意

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油は暴落後の水準固めから戻り基調。8月限は
78.40ドルから64.0ドルまでの下げ幅の23.6%戻し(67.40ドル辺
り)を達成しており、目先は38.2%戻し(69.50ドル辺り)、70ドルの節
目、61.8%戻し(71.20ドル辺り)が次の上値目標となるとした。

【NY原油は戻りは短命で上げ幅失くす】
 ニューヨーク原油は米独立記念日明け後の週前半は戻したものの、10日の急落でそ
の上げ幅の大半を失った。ここまでの高値は9日の68.94ドルで前述の38.2%
戻し(69.50ドル辺り)に届かずに反落した。安値は10日の66.45ドルとな
り、一代安値54.13ドルから一代高値78.40ドルまでの上げ幅の半値押し
(66.27ドル辺り)水準に再び下押しされている。このまま半値押し水準を維持で
きるか否かがチャート上の焦点だ。期近8月限は22日が納会となるため、その前にも
う一度買い直されるのか、9月限への限月移行の商いが中心になるのかで、7月14日
からの週のセンチメントは大きく変わるため、それを見極めたい。本稿執筆時の11日
は午前に67ドル台に乗せる場面もあったが、午後には66ドル台後半まで再び軟化し
ている。

 材料的には、石油輸出国機構(OPEC)プラスの主要8カ国が9月も自主減産枠を
縮小して、9月も日量54万8000バレルの増産を決定したことが圧迫要因となっ
た。主要8カ国は4月以降、断続的に自主減産枠を縮小してきたが、これで減産枠がな
くなることで、10月については減産枠を使った増産は見送られることになるが、これ
をブルームバーグ通信が報じたことで、10日の相場で一時的に無駄に急伸する場面が
あった。しかしすぐに9月の増産にまともに反応する動きとなり、それ以上の急落とな
った。

 イランの核開発関連では、ニューヨーク・タイムスによると、イスラエルはイランが
保有している濃縮度60%のウランの一部が6月の米国とイスラエルによる攻撃を回避
し残存していると分析しており、再びイスラエルによるイラン攻撃の可能性が懸念され
ている。イスラエルの高官は、同紙の記事の中で「イランが残存ウランを回収しようと
すれば確実に察知できる。施設を再攻撃する時間的余裕もある」と述べた。実際に攻撃
が実施されれば、再び突発高の可能性もあるため注視して行きたいところ。

 「トランプ関税」問題に関しては、50%としたブラジルを除き、トランプ大統領が
貿易相手国に送付した書簡に記載された関税率が4月2日に発表されたものとほぼ同水
準だったことで、そこまで大きな波乱要因とはなっていない。ただ、後述するようにド
ル高傾向が鮮明となっているため、原油にはやはり上値抑制要因となっている。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は4万4000ドル台で高値圏のもみ
合いの様相となってきた。
 ドルインデックスは7月1日に95ポイント台後半で底入れする形となり上昇傾向が
続いており、直近は97ポイント台半ばまで戻している。

【2030年も世界石油需要の増加傾向続く見通し=OPEC】
 直近の相場への影響は大きくないが、10日にOPECが世界石油見通し(WOO)
2025を発表した。26年から29年まで4年間の世界の原油需要見通しを前年から
下方修正するなか、2030年は据え置いた。2025年が日量1億0500万バレ
ル、26年を同1億0630万バレルとしているが、2030年は同1億1330万バ
レルとさらに増加する見込み。2020年代に需要がピークアウトするとの見方もある
なか、強気の見方を維持している。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である12月限はそれまで上値抵抗となってきた21日移動平均線
でもあるボリンジャーバンドの中心線(5万9920円辺り)やそれに近い6万円の節
目を一時上回ったものの、直近は再びそれを下回って引けている。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油8月限は6月下旬の暴落以降、ボリンジャーバンドの中心線
(67.83ドル辺り)を跨いだ展開が続いており、直近は大陰線で再びそれを割り込
んだ。

 ブレント原油9月限もこれまで上値抵抗となってきたボリンジャーバンドの中心線
(70.05ドル辺り)を一時的に上回ったものの、直近は再びそれを大きく割り込
み、70ドル台乗せは短命に終わった。


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