<金> NY金8月限は3300ドルが支持線となるなか、小動きとなっている。7月3日か ら7日にかけては米雇用統計が強気となったことで米雇用情勢は比較的、好調を維持し ているとの見方が広がるなか値位置を落とした。 その後、米トランプ政権による14カ国への関税の上乗せ分の通達があったものの、 金を安全資産として買う動きは限られている。これは、通達は行われたものの、関税の 発動は8月1日でそれまでの3週間程度の交渉次第で関税の高下があると米政府が伝え たことを受けて交渉進展の可能性が意識されたうえ、今回新たな関税が通達されたのは 14カ国のみ。そのうちの主要国は日本と韓国に限られたことで全面的なリスクオフの 雰囲気が高まるほどのインパクトはなかったことが背景。 また、4月上旬の発表時とほぼ同率の税率が示されたことも、市場への影響が限られ た一因となっている。 米トランプ関税については欧州連合(EU)への新相互関税率が注目され、EUへの 相互関税率が4月の相互関税発表時に比べて高ければ世界経済不安が高まる一方、4月 発表時点の関税率を下回るようであれば、世界的な景気不安は後退し、金を安全資産と して求める動きも限られそうだ。 ただ、一方で米トランプ政権は相互関税の上乗せ分の発表に伴い、銅および医薬品の 輸入関税をそれぞれ50%、そして200%引き上げるとも発表。この関税の発動まで にはまだ時間を要すると見られるが、次々と発表される輸入関税、輸入関税に関して通 商協議が開催される可能性など、依然として不確実な要素が見受けられることは、金へ の逃避買い需要を刺激する要因になろう。 また、米国では一つの大きな法案(OBBBA)が可決されたが、この法案を受けた 減税措置により米財政悪化が進む可能性がある。 なお、米議会予算局(CBO)によると、同法案が実行された場合、今後10年間で 財政赤字は3兆4000億ドル増になることが試算される。 この財政赤字の拡大や米トランプ政権の関税政策の不確実性はドルに対する信認低下 を促す要因だけに、NY金市場では安全資産を求める動きが引き続き見られ、12月限 は3300ドルを下値支持線にしての高下が続くと予想される。 <銀> NY銀9月限は7月2日以降は3600セントを下値支持線とする高もみとなってい たが、10日は大きく値を伸ばした。3762.5セントでこの日の取引を終え、6月 18日に付けた高値3773セントを目指す可能性が高まっている。 金に連動高となっているが、新たに銅の輸入関税50%引き上げ発表を受けてインフ レが加速化するとの見方が広がっていることも買いを支援。 金との連動性の高さからも、目先の高値更新の可能性を含んだうえでの高値圏でのも みあいが見込まれる。 <白金> NY白金10月限は今月2日に1447.9ドルまで浮上した後は8日にかけて値を 落として1350ドル台に達していたが、その後は再浮上して終値ベースでの1400 ドル台を回復。 世界的な供給不足が意識されているうえ、米政権による銅、銅関連製品への輸入関税 の50%引き上げを受けたインフレ懸念が買い支え要因になっている。 高止まりしている金との値開きは1900ドル前後であり、金の上昇基調が強まった 昨年4月以前の1200ドル前後と比較すると依然として値開きは大きい状態にあり、 その修正に向かう可能性もある。 10日の取引では1440ドルに近づいたところで売り直されているが、1350ド ル台で下値を固めてから浮上した形となっていることもあり、高値圏での高下が続くと 予想される。 <パラジウム> NYパラジウム9月限は6月27日に1193.50ドルまで値を伸ばした後に値を 落とし暫くもちあったが、10日には地合いを引き締めて1215ドルに達して目先の 高値を更新。 独自の需給要因には乏しいながらも白金の堅調に追随する動きとなっている。薄商い 特有の大きな値動きが見られる可能性があるなか、白金の値動きを意識し1200ドル 前後を保つ底堅い動きになるとみる。 MINKABU PRESS
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