[8月18日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2026 年 6 月限 8 月 12 日〜 8 月 15 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 16,200 16,247 (12) 15,890 (15) 15,957 -228 銀 179.8 179.8 (12) 179.8 (12) 179.8 -0.2 プラチナ 5,820 6,011 (15) 5,755 (12) 6,011 +191 パラジウム 5,500 5,500 (12) 5,500 (12) 5,500 0 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 15 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 (12) 3,382.6 -108.7 | ドル・円 147.12 0.29 円高 銀 ( 9) 3,797.5 -56.7 | 日経平均 43,378.31 +1557.83 プラチナ (10) 1,345.2 +5.6 | NY原油 ( 9) 62.80 -1.08 パラジウム ( 9) 1,117.80 -25.60 |* ドル・円は15時45分現在、原油は 15日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が支援要因、とした。 金は米国の金塊に対する関税が誤情報とされたことや米連邦準備理事会(FRB)の 大幅利下げ観測が後退したことを受けて売り優勢となった。現物相場は1日以来の安値 3330.96ドルを付けた。金先限は7月31日以来の安値1万5890円を付け た。 米国がスイスの精錬所に対して金輸入に関税を課すとしたが、ホワイトハウスは誤情 報として正すための大統領令を出すと発表した。トランプ米大統領は「金(ゴールド) には関税はかからない!」と投稿した。米国の相互関税が発動したが、各国との合意文 書が作成されず、混乱する場面も見られた。日米間の合意に沿っていない大統領令が出 され、赤沢経済再生相が訪米して米閣僚と会談し、米国側から適時修正する措置をとる とされた。交渉を継続している国もあり、関税絡みの混乱が続く可能性がある。 7月の米消費者物価指数(CPI)は前年比2.7%上昇した。伸びは前月から横ば いで事前予想の2.8%を下回った。米連邦準備理事会(FRB)の9月利下げ観測が 強まった。ただコア指数は同3.1%上昇と前月の2.9%上昇から加速し、事前予想 の3.0%上昇を上回った。ベセント財務長官は、米雇用統計で5、6月分の雇用者数 が大幅に下方修正され、7月の雇用者数の伸びが鈍化したことを受け、9月に50ベー シスポイント(bp)利下げが行われる可能性が高いと述べた。一方、7月の米生産者 物価指数(PPI)は前月比0.9%上昇した。サービスと財(モノ)の価格が共に急 上昇し、2022年6月以来の大幅な伸びとなった。事前予想は0.2%上昇、6月は 横ばいだった。大幅利下げ観測は後退したが、CMEのフェドウォッチで9月の米連邦 公開市場委員会(FOMC)での25bp利下げの確率は92.1%(前週91.9 %)となった。 ベセント米財務長官は、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)までにミラン大統領 経済諮問委員会(CEA)委員長の連邦準備理事会(FRB)理事就任を議会上院が承 認することを望むと述べた。またトランプ米大統領は、米FRB本部の改修工事を巡 り、パウエルFRB議長を相手取った訴訟を検討している。米大統領は、次期FRB議 長候補を3〜4人に絞り込み、少々早めに指名する考えを示しており、FRB攻撃を続 けている。 【金ETF残高は増加】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は14日時点で 1148.98トンとなり、前週末比1.99トン増加した。米国で1.72トン、英 ETFSで0.37トン、オーストラリアで0.02トン増加、英GBSで0.07ト ン、南アで0.05トン減少した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測を受けて 投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告による と、8月5日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは23万7050枚とな り、前週の22万3596枚から拡大した。今回は新規買いが1万0953枚、買い戻 しが2501枚入り、1万3454枚買い越し幅を拡大した。 トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領は15日に米アラスカ州で会談する。ウ クライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍を東部ドンバス地域から撤退させるよ うロシアが提案した場合、ウクライナは拒否すると述べた。米大統領は13日、ロシア がウクライナにおける戦争をやめなければ、重大な結果に直面するだろうとし、厳しい 経済制裁を科すことになると警告した。欧州首脳とゼレンスキー大統領を交えたオンラ イン会合については「非常に良い会談で、とても友好的だった」と高く評価した。ルビ オ米国務長官は、ウクライナにおける紛争の包括的な停戦には時間がかかるという認識 を示しつつも、米大統領はプーチン大統領との会談で、ウクライナにおける戦闘休止を 目指す考えと述べた。米ロ首脳会談がウクライナ停戦につながるかどうかを確認した い。 【銀はドル安も上げ一服】 銀の現物相場はドル安や金の押し目を買われたことが支援要因となり、7月25日以 来の高値38.72ドルを付けたが、予想以上の米生産者物価指数(PPI)を受けて 上げ一服となった。トランプ米大統領が中国に課す関税措置の一部停止措置を90日間 延長する大統領令に署名したことも支援要因だが、当面は米国の相互関税発動によるサ プライチェーン(供給網)やインフレへの影響を確認したい。 14日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比80.51ト ン増の1万5071.31トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の 建玉明細報告によると、8月5日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは5万 0658枚となり、前週の5万9407枚から縮小した。手じまい売りが買い戻しを上 回った。 当面の予定(イベント・経済統計) 18日 ユーロ圏貿易収支 2025年6月(EUROSTAT) 19日 ユーロ圏国際収支 2025年6月(ECB) 米住宅着工・許可件数 2025年7月(商務省) 20日 機械受注 2025年6月(内閣府) 貿易収支 2025年7月速報(財務省) 政策金利公表(NZ準備銀行) 独生産者物価指数 2025年7月(連邦統計庁) 英消費者物価指数 2025年7月(国立統計局) ユーロ圏消費者物価指数 2025年7月確報(EUROSTAT) 米FOMC議事録公表 7月29-30日(FRB) 21日 ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年8月速報(Markit) ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年8月速報(Markit) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米製造業景況指数 2025年8月(フィラデルフィア連銀) 米中古住宅販売統計 2025年7月(全米不動産協会) 22日 消費者物価指数 2025年7月(総務省) 独国内総生産 2025年4-6月期確報(連邦統計庁) 英小売売上高 2025年7月(国立統計局) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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