貴金属4品週間見通し=金は米利下げ観測やFRBの独立性懸念で底堅い

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<金>
 NY金12月限は今月22日に抵抗線となっていた3400ドルを上抜き、その後も
堅調地合いを維持し28日は3478.7ドルと8月8日以来の水準まで浮上してい
る。
 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が、22日に行ったジャクソンホールで
の講演において、政策金利の引き下げ検討を慎重に進められる状況にある、と語ったこ
と受けて9月の米利下げ観測が強まったことが22日以降の浮上の一因となったが、こ
れに加えて米トランプ大統領が米連邦準備理事会(FRB)のクック理事の辞任要求を
行ったことに伴う混乱やFRBの独立性に対する懸念が高まったことで安全資産を求め
る動きが高まったことが価格押し上げ要因になっている。
 28日に発表された今年4月〜6月期の米実質国内総生産(GDP)の確報値が速報
値よりも引き上げられたうえ、事前予想を上回ったことで米経済に対する楽観的な見方
が広がったことも金市場にとって追い風となっている。
 米国では8月1日より相互関税の上乗せ分が発動されたことで物価上昇に対する警戒
感が強まっている。7月までの雇用統計は、5月以降の米雇用情勢は想定されていたよ
りも軟化していた可能性が示されていることが懸念を強める要因になっている。雇用情
勢が軟化するなかでのインフレ加速化は米GDPの70%程度を占める個人消費にネガ
ティブな影響を与えると予想されるからだ。
 今回発表されたGDPが強気な内容だったことは米消費活動への安心感が強めるもの
で、これが9月利下げ観測を強める結果となっている。
 注意すべきはGDPは8月の相互関税上乗せ分発動の影響を受けていない点だ。これ
までのところ、米経済指標には強弱入り混じる内容が続いており、米トランプ政権によ
る関税引き上げによる影響も現時点では限られているように見受けられるが、8月1日
以降の物価と予想されるインフレの上昇が米経済に与える影響については見通しに不透
明感が強い。
 9月1日の週に発表される各種雇用統計が目先の注目要因となるが、雇用情勢が軟化
しているようであれば米経済不安が安全資産を求める動きを刺激する。雇用情勢が強気
であれば米経済への安心感からドル高要因となり、利食い売りが先行しやすい。ただト
ランプ政権への不信感が強く、金の押し目買い意欲は強く、NY金は底堅い動きが続く
と見られる。
<銀>
 NY銀12限は28日の取引で3986セントまで浮上し7月25日以来の高値水準
に達している。
 NY金の堅調な動きに加え、強気な米経済指標を受けた需要増期待も価格を押し上げ
る要因になっている。9月公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測も強気材料であ
り、引き続き高値圏での高下になると予想される。
<白金>
 NY白金10月限は28日は堅調となったが、1300〜1385ドルの8月4日以
来の価格レンジでの高下にとどまっている。NY金が戻り高値を更新の動きが下支え要
因。
 1000ドル前後で高下していた5月下旬から上伸し、7月21日に1511.4ド
ルまで上昇した後、もちあい相場に転じ、調整色を強め、目先の買いが一巡した感が強
い。新たな要因が浮上しない限り1300ドルを下値支持線にしての高下が続きそう
だ。5日間、25日移動平均線が1352ドル水準に通っており、1350ドル台前半
を支持線に値固めできるかに注目。8月のドル建て現物相場ベースで金との価格差は、
2005ドルで開始したが、2050ドル以上に拡大しており、金に対しての割安感は
ある。
<パラジウム>
 NYパラジウム12月限は7月下旬以降、時おり買い戻されながらも値位置を切り下
げる動きが続いた後、1100ドル前後に達したところで下げ渋りに転じている。
 独自の材料に欠ける状況に変化は無いだけに1100ドルを下値支持線とした安もみ
継続が見込まれる。
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