貴金属は、金が大幅高で寄り付く見通し。金はニューヨーク金の続伸を受けて買い優 勢となろう。銀はニューヨーク続伸、円小幅安と金高を受けて概ね堅調となろう。プラ チナ系貴金属(PGM)はプラチナが金の堅調と円安から確りで運ばれそうだ。ただ株 安を警戒し、利食い売りが増え、押し目形成の可能性あり。 午前8時5分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は43.46ドル高の 3529.51ドル、銀が17セント高の4084セント、プラチナが3.80ドル高 の1410.80ドル、パラジウムは17.50ドル高の1144.00ドル。 午前8時5分現在のドル・円相場は1ドル=148.49/51円で、前営業日の 大引け時点から0.47円の円安。 先限の寄り付き目安は、金が1万6970円前後、銀は194.9円前後、プラチナ は6210円前後、パラジウムは5300円前後。 【安全資産需要の高まり受けたNY金高が東京金もけん引】 金はきのうの海外市場は、安全資産としての需要の高まりから、ニューヨーク金期近 12月限は、一時3600ドルを試すまで上伸した。 ニューヨーク金は3連休明けの米株の大幅安、事前予想を下回る8月ISM製造業景 気指数に加え、前週末にトランプ政権による関税の大部分は違法、との判決が連邦控訴 裁判所でくだされたことを受けて、これまでの関税を返還を余儀なくされる可能性が浮 上するなど、米財政に対する不安感が高まるなか続伸した。 関税政策に関しトランプ政権は3日にも最高裁に迅速審理を要請する意向を表明して いるが、最高裁でも関税の大部分が違法、との判断がくだされた場合にはトランプ政権 の財政悪化が予想されることになる。 また、3日に米7月の米JOLTS求人件数が発表されるが、米雇用情勢の軟化が見 込まれる場合、米財政不安はさらに高まることが予想される一方、強気な雇用情勢が示 されれば利下げ見通しを強めることになり、いずれにしてもニューヨーク金市場にとっ ては強気要因になってきそうだ。 東京市場でも米財政不安や雇用情勢を巡る思惑がドル円に与える影響に注意が必要な なか、ニューヨーク金を巡る強気な環境が意識されるなか高値圏での高下が続くと見ら れる。前日のJPX金の総取引は前日比で1092枚減の4万4568枚。損切りの買 い戻しがかなり多かった印象だ。今日も売り方は損切りを強いられそうだ。 銀はきのうの海外市場は、金に追随高となった。 【プラチナは軟化した場合、先限は6168円が支持線か】 プラチナはきのうの海外市場では、ドル建て現物高を受けて上昇した。 プラチナはドル建て現物高に加え、安全資産需要の高まりを受けた金の急伸から買い 優勢となった。なお、8月のISM米製造業景気指数が事前予想を下回り、米製造業の 低調が懸念されるが、安全資産としての金需要を刺激する要因となり、プラチナ市場で も間接的な買い支援要因となった。JPXプラチナ先限は夜間取引で6228円をつ け、日中取引の高値6226円をわずかに上回った。日中取引で軟化した場合、日付け が変わった後の安値6168円、6150円の節目が支持線になると予想。 <今日の予定> ◆ オーストラリア ◆ 【経済】10:30 国内総生産 2025年4-6月期(連邦統計局) ◆ 日本 ◆ 【工業】12:00 原油・石油製品供給統計週報(石油連盟) 【工業】14:00 石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁) ◆ 中国 ◆ 【経済】10:45 サービス業購買担当者景況指数 2025年8月(RatingDog) ◆ トルコ ◆ 【経済】16:00 消費者物価指数 2025年8月(トルコ統計機構) 【経済】16:00 生産者物価指数 2025年8月(トルコ統計機構) ◆ ユーロ圏 ◆ 【経済】17:00 サービス業購買担当者景況指数 2025年8月確報(Markit) 【経済】17:00 購買担当者総合景況指数 2025年8月確報(Markit) 【経済】18:00 生産者物価指数 2025年7月(EUROSTAT) ◆ アメリカ ◆ 【経済】20:00 住宅ローン申請指数(MBA) 【経済】23:00 耐久財受注 2025年7月確報値(商務省) 【経済】23:00 製造業新規受注 2025年7月(商務省) 【経済】9/4 03:00 地区連銀経済報告・ベージュブック(FRB) 【経済】--:-- 新車販売台数 2025年8月(Autodata) 【工業】9/4 05:30 週間石油統計(API) MINKABU PRESS
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