ゴム週間展望=レンジ相場、ファンダメンタルズからの売りは新鮮味に欠ける

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [10月27日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         10月20日〜10月24日
<国内>         始 値     高 値       安 値       帳入値    前週比
 26年03月限      303.3     313.4(24)    301.0(20)     312.9    +  8.8
 RSS先限      306.0      311.0(24)   306.0(20)    311.0     +  5.0
 TSR20    255.0      255.0(20)    255.0(20)    255.0        0.0
 上海1月限   14715   15400(24)   14695(20)     15375     +  565
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 152.95円  前週末比 3.15 円安
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【前週までのレビュー】ゴム独自のファンダメンタルズは新鮮味を欠くことから、円
高・株安の局面があれば下値模索の展開になるとした。
【レンジ相場を形成か】
 JPXゴムRSS3号の活発限月3月限は、上海高を手掛かりに戻り場面となってい
る。活発限月の3月限は、20日に301.0円まで下落後、上海高や円安を受けて、
24日には313円台まで上昇している。ただ、ゴム独自のファンダメンタルズに変化
はない。安値からの自律反発となっている上海高などに連れた動きである。上海高が一
服となれば、再び売りが先行するとみる。ただ、安値を突っ込んで売り込むほど、売り
材料に新鮮味がないことから、3月限は305〜315円前後でのレンジ相場を形成し
そうだ。
【中国GDPは減速】
 日本時間の10月20日、午前11時に中国国家統計局から発表された2025年7
−9月期の中国国内総生産(GDP)は、前年同期比4.8%増となり、市場予想の
4.7%を上回った。ただ、4−6月期の5.2%増からは減速している。長期化する
不動産不況を背景に、国内需要が落ち込んでいることが影響したようだ。
 また、同時に発表された9月の鉱工業生産は前年同月比6.5%増と、市場予想の
5.0%を上回った。9月の小売売上高は3.0%増となり、昨年11月以来の低成長
となった。中国は依然として景気減速が続いている。中国景気が本格的な回復を迎えな
ければ、天然ゴム相場の上値が徐々に重くなるとみる。
【上海ゴムは1万5500元付近の攻防に注目】
 上海ゴムは、戻り場面となっている。中心限月の1月限は、大型連休前、最後の取引
となった9月30日に1万5020元まで下落したが、1万5180元まで戻して引け
た。日足は下ヒゲの長い陰線となり、節目の1万5000元割れも回避したことから、
戻り歩調となり、10月10日には、1万5480元まで水準を引き上げた。ただ、同
水準で戻り売りを浴びると、再び売りが先行し、13日には節目の1万5000元を割
り込むと、20日には1万4675元まで水準を引き下げた。だが、同水準で支持され
ると反発局面を迎え、24日には1万5470元まで上昇している。
 目先のポイントは、1万5500元付近での攻防になる9月5日の高値1万6370
元から10月20日の安値1万4675元まで下落の半値戻しが1万5523元であ
り、この価格帯をしっかり上抜く、一段高の可能性が高まる。だが、同水準の突破に失
敗するようなら、戻り一服となり、再び地合いを緩めるとみる。
【東京ゴム活発限月の3月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の3月限は、反発場面となった。10月に入ってから値動
きを確認すると、産地安を手掛かりに9月下旬から売りが加速すると、10月3日の夜
間取引(チャート上は10月6日)に295.8円まで下落した。だが、同月4日の自
民党総裁選で高市氏が当選すると、積極財政への思惑が広がり、6日のドル・円が3日
のNYクローズに対し、1円60銭以上ものドル高・円安となる149円台前半で始ま
ると、これを受けて、JPXゴムRSS3も反発を開始、同日に305円台上昇する
と、その後も円安の進行と共に水準を引き上げ、10日は315.0円まで上値を伸ば
した。だが、円安が一服となると、上値が重くなり、14日には305.0円まで下
落。その後、313.6円まで反発するも、戻りを叩かれ、20日には301.0円ま
で水準を引き下げた。ただ、300円割れが回避されると、上海高などから買いが優勢
となり、24日には313円台で取引されている。
 続伸となれば、10月10日の高値315.0円に注目したい。同水準を上抜くと、
節目の320円や8月26日の高値322.0円が視野に入る。一方、売りが優勢とな
れば、節目の305円付近が支持になる。同水準を割り込むと、300.0円割れを試
そう。300円を割り込むようなら、10月6日の安値295.8円や節目の290円
を意識した展開になるとみる。
【今週の注目ポイント】
 引き続き、産地相場に注目したい。タイオファーは、ジリ安調の展開となっている。
需給緩和観測が広がっており、タイオファーが一段安となれば、JPXゴムRSS3も
水準調整を余儀なくされる。
【相場予想レンジ】
 10月27〜31日のJPXゴムRSS3号3月限の中心レンジ予想は285〜32
0円前後。テクニカルの支持線301.0円(10月20日)、抵抗線は315.0円
(10月10日高値)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
27日 ●ニュージーランド(勤労感謝の日)
    中国工業利益 2025年9月(国家統計局)
    独景況感指数 2025年10月(ifo)
    米耐久財受注 2025年9月速報値(商務省)
28日 貴金属 2025年10月限納会(大阪取引所)
    米ケース・シラー住宅価格指数 2025年8月(S&P)
    米消費者信頼感指数 2025年10月(カンファレンスボード)
    米連邦公開市場委員会(FRB、29日まで)
29日 ●香港(重陽節)、トルコ(共和国宣言記念日)
    貴金属 2026年10月限発会(大阪取引所)
    金融政策決定会合(日本銀行、30日まで)
    米卸売在庫 2025年9月速報値(商務省)
    米中古住宅販売仮契約指数 2025年9月(全米不動産協会)
    米FOMC声明文公表(FRB)
    政策金利発表(カナダ銀行)
30日 金融市場調節方針公表(日本銀行)
    ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
    ユーロ圏域内総生産 2025年7-9月期速報(EUROSTAT)
    ユーロ圏雇用統計 2025年9月(EUROSTAT)
    理事会結果公表(ECB)
    米国内総生産 2025年7-9月期速報値(商務省)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
31日 労働力調査(失業率) 2025年9月(総務省)
    鉱工業生産指数 2025年9月速報(経済産業省)
    小売業販売額 2025年9月速報(経済産業省)
    中国製造業購買担当者景況指数 2025年10月(中国物流購買連合会)
    中国非製造業購買担当者景況指数 2025年10月(中国物流購買連合会)
    上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    ユーロ圏消費者物価指数 2025年10月速報(EUROSTAT)
    米個人所得・支出 2025年9月(商務省)
    米雇用コスト指数 2025年7-9月期(労働省)
    シカゴ購買部協会景気指数 2025年10月(シカゴ購買部協会)
    建玉明細報告(CFTC)
※米政府機関閉鎖の影響で米経済指標の発表が延期になる可能性があります。

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