【前週のレビュー】ニューヨーク原油12月限は23日に62.20ドルまで急反騰し て、9月26日の高値65.77ドルから10月20日の安値55.96ドルまでの下 げ幅に対する61.8%戻し(62.02ドル辺り)を達成した。目先はこのまま続騰 して78.6%戻し(63.67ドル辺り)を一気に達成してしまうのか、あるいは修 正安含みとなるのかが注目されるところ。仮に修正安となった場合、30日の上弦で押 し目底を付けて、来月5日の満月に向けた再上昇をイメージしているとした。 【NY原油12月限は38.2%戻しまで修正安】 ニューヨーク原油12月限は修正安含みとなった。ここまでの安値は30日に付けた 59.64ドル。前述の下げ幅の38.2%戻し(59.71ドル辺り)水準を試し た。そのあと本稿執筆時の31日午後には60ドル台前半まで戻しており、このまま戻 せば、61.8%戻しから38.2%戻しまでの修正安後の反発局面という非常に分か りやすいものとなる。日柄的にも前回の当欄で指摘した30日の上弦に押し目底を付け て、来月の5日の満月に向けて上昇するというイメージに合致したもの。今回の上昇波 がエリオット波動の第3波であれば、少なくとも24日の高値62.59ドルを上抜く ような上昇が期待できる。 材料的には、注目された30日の米中首脳会談については、米国のフェンタニル関税 の10%引き下げや、中国のレアアースの新たな輸出規制を1年間先送りするなど、お 互いに譲歩する姿勢が見られたものの、ウクライナ戦争やロシア産原油について、突っ 込んだ協議がなされなかったこともあり、原油相場にあまりインパクトの大きなものと はならなかった。ただ、トランプ米大統領は中国が米アラスカ州の石油や天然ガスを購 入する可能性について言及しており、今後これに関して続報があれば支援材料となる可 能性がある。 また11月2日に石油輸出国機構(OPEC)プラスの主要8カ国によるオンライン 会合が開催されるため注目されるが、生産枠を大幅に引き上げるとの報道は見られず無 風で終わる可能性も考えておきたい。前回は事前に弱気を煽られていたため、実際の発 表後は逆に買われる展開となった。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は再び過去最高値を試す展開。4万 7000ドル台に乗せてきた。日米首脳会談に合わせる形で、日米ともに過去最高値を 更新する展開となっている。 ドルインデックスは戻り高値を更新する形で、99ポイント台半ばまで戻している。 【国営インド石油、12月渡しの東シベリア産原油購入】 米国の圧力により、インドの多くの石油企業がロシア産原油の輸入を停止している が、何と最大手の国営インド石油(IOC)が米国の制裁対象でない企業から12月到 着分のロシア産原油を5カーゴ購入したことが報じられている。関係者によると、12 月にインド東部渡しで、東シベリアのエスポ原油350万バレルをドバイ原油フラット の価格で成約したという。 なお、IOCの財務責任者は、原油の数量が制裁基準を満たしていれば今後もロシア 産原油の購入を継続すると指摘している。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である3月限は6万円の節目を挟んで、21日移動平均線でもある ボリンジャーバンドの中心線(5万9430円辺り)と1シグマ(6万0860円辺 り)の間のもみ合いとなっている。直近の31日には1シグマが上値抵抗となって上ひ げを付けた。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油12月限は下降中のボリンジャーバンドの1シグマ(61.36ド ル辺り)が上値抵抗となり反落。ただ60ドル台割れの中心線(59.66ドル辺り) が下値支持となっている。 ブレント原油1月限もほぼ同様の展開。下降中のボリンジャーバンドの1シグマ (65.02ドル辺り)が上値抵抗となり反落。ただ中心線(63.39ドル辺り)が 下値支持となっている。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
 
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