ゴム週間週間見通し=新規材料待ち、3月限は305〜315円のレンジ相場

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週までのレビュー】上海ゴムの戻り歩調を背景に地合いを引き締めているが、ゴム
独自のファンダメンタルズは弱気に振れている。ただ、売り材料にも新鮮味を欠くこと
から、目先、305〜315円前後でのレンジ相場を形成するとみた。
【需給緩和観測は根強い】
 JPXゴムRSS3号の活発限月3月限は、上海高を手掛かりに買いが優勢となり、
30日は317.4円まで上昇した。だが、315円超では戻り売り圧力が強く、31
3.8円まで押し戻されて引けた。産地の降雨からやや産地価格が上昇しているが、
ゴム独自のファンダメンタルズに大きな変化はない。依然として需給緩和観測が強い。
ただ、材料としての新鮮味には欠ける。相場は新規材料待ちの様相を呈している。目
先、3月限は305〜315円前後でのレンジ相場を形成しそうだ。
【中国製造業PMIは7カ月連続で50を下回る】
 日本時間の10月31日午前11時に中国国家統計局から発表された10月の中国製
造業購買担当者景気指数(PMI)は49.0となり、景況感の分かれ目とされる50
を7カ月連続で下回った。前月の49.8、並びに市場予想の49.6も下回った。同
時に発表された非製造業PMIは、9月の50.0から50.1に上昇した。
 不動産不況を背景として中国の景気減速が浮き彫りになっており、同日の香港ハンセ
ン指数や上海総合株価指数は下落する場面があった。市場では追加の景気対策を求める
声も上がっている。米中貿易摩擦がやや緩和したが、このことが景況感の改善という形
で表面化するには時間が必要のようだ。
【上海ゴムは1万5500元付近の攻防に注目】
 上海ゴムは、戻り場面となっている。中心限月の1月限は、国慶節の大型連休前、最
後の取引となった9月30日に1万5020元まで下落したが、1万5180元まで戻
して引けた。日足は下ヒゲの長い陰線となり、節目の1万5000元割れも回避したこ
とから、戻り歩調となり、10月10日に1万5480元まで水準を引き上げた。た
だ、同水準で戻り売りを浴びると、再び売りが先行し、13日には節目の1万5000
元を割り込むと、20日に1万4675元まで水準を引き下げた。だが、同水準で支持
されると反発局面を迎え、21日に1万5000元台を回復すると、29日には一時1
万5670元まで上昇した。ただ、終値ベースでは節目の1万5500元を突破してい
ない。
 テクニカル要因からは、9月5日の高値1万6370元から10月20日の安値1万
4675元まで下落の半値戻しがある1万5523元を終値ベースでしっかり上抜く、
一段高の可能性が高まる。だが、同水準の突破に失敗するようなら、戻り一服となり、
再び地合いを緩めるとみる。
【東京ゴム活発限月の3月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の3月限は、やや買い優勢となった。10月に入ってから
値動きを確認すると、産地安を手掛かりに9月下旬から売りが加速すると、10月3日
の夜間取引(チャート上は10月6日)に295.8円まで下落した。だが、同月4日
の自民党総裁選で高市氏が当選すると、積極財政への思惑が広がり、6日のドル・円が
3日のNYクローズに対し、1円60銭以上ものドル高・円安となる149円台前半で
始まると、これを受けて、JPXゴムRSS3も反発を開始、同日に305円台上昇。
その後も円安の進行と共に水準を引き上げ、10日は315.0円まで上値を伸ばし
た。だが、円安が一服となると、上値が重くなり、14日には305.0円まで下落。
その後、313.6円まで反発するも、戻りを叩かれ、20日には301.0円まで水
準を引き下げた。ただ、300円割れが回避されると、上海高などから買いが優勢とな
り、30日には一時317.4円まで上昇、その後は315円前後での取引となってい
る。
 続伸となれば、10月30日の高値317.4円に注目したい。同水準を上抜くと、
節目の320円や8月26日の高値322.0円が視野に入る。一方、売りが優勢とな
れば、節目の310円付近が支持になる。同水準を割り込むと、10月23日の安値3
05.0円やや節目の300.0円を試そう。300円を割り込むようなら、10月6
日の安値295.8円や節目の290円を意識した展開になるとみる。
【今週の注目ポイント】
 引き続き、産地相場に注目したい。タイオファーが、短期的には底入れした可能性が
ある。反発局面が続けば、JPXゴムRSS3の支援材料となる。
【相場予想レンジ】
 11月3〜7日のJPXゴムRSS3号3月限の中心レンジ予想は290〜325円
前後。テクニカルの支持線305.0円(10月23日安値)、抵抗線は317.4円
(10月30日高値)。
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