NY時間の終盤に入って、ドル円は154.70円付近に伸び悩んでいるものの、本日は一時155円台を付ける場面が見られた。155円付近ではオプション勢などの防戦売りも大量に観測され、上値を拒まれたものの、ロング勢は後退する気はなく、上値をうかがう展開を継続している。 先日のFOMC後のパウエル議長の会見以降、FOMC委員から利下げに慎重な声が相次ぐ中、市場はFRBの12月利下げ期待を後退させている。一方、高市政権誕生で日銀が利上げに慎重姿勢も垣間見せる中、日米の金利差縮小は想定ほど早くはないとの思惑から、市場は円キャリー取引を続けている状況。 ドル円が一時155円台に上昇する中、市場では財務省による介入が再び意識されている。片山財務相は本日の参院予算委員会で「足元は一方的で急激な動きが見られる。経済への影響はマイナス面が目立ってきていることは否定できない」と述べていた。 米政府機関閉鎖が早ければ本日中にも終結するとの楽観的見方が広がる中、一部からは、発表を延期していた米経済指標の公表が再開されれば、雇用指標を中心にFRBの利下げ観測を後押しするとの見方も出ている。インフレは高水準での推移が継続しているとしても、雇用の冷え込みがFRBの意識を再度利下げに向かわせると見ている模様。もしそうなれば、ドル円も上値は抑えられることになる。 ただ、ホワイトハウスのレビット報道官は10月分の米雇用統計と消費者物価指数(CPI)について、発表されない可能性が高いと述べていた。いずれにしろ、米経済指標の動向待ちの状況ではある。 USD/JPY 154.71 EUR/JPY 179.27 GBP/JPY 203.16 AUD/JPY 101.23 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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