コモディティレポート(金)

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【NY金は米追加利下げ後退も米経済不安に支えられ堅調に推移か】
 NY金12月限は今月7日までは4000ドルを前後するもちあいとなった後、13
日にかけて浮上し、一時4250ドルと10月21日以来の高値水準まで値を伸ばし
た。その後、反落したが、19日は買い優勢となり4080ドル台を維持して引けた。

 10月下旬から11月上旬にかけてもちあい相場となった。この期間は10月30日
に米中首脳会談が開催されたことで米中貿易摩擦激化に対する警戒感が後退したこと
や、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を受けて年内追加利下げ観測が後
退したことが重石となった。また、過去最長となった米政府機関の一部閉鎖が解除され
たことも金市場にとっての上値抑制要因となっていた。
 米政府機関の一部閉鎖が43日間と過去最長となったことで、10月〜12月の米国
内総生産(GDP)は前期比で1.5%程度の押し下げられるとの試算を議会予算局
(CBO)が発表している。
 米経済指標の発表が再開されたものの、10月中、米政府機関の一部が閉鎖された影
響で十分なデータの収集が不可能となっていることで10月分の経済指標は発表される
可能性は低い。
 米雇用統計に関しては9月分の発表が20日木曜日に行われるが、10月分には一部
データが発表されない可能性があるうえ、11月分に関しても政府閉鎖の影響で集計が
遅れているため、発表予定が従来から遅れた日付に変更されることが見込まれている。
 米経済指標の発表が遅れていることは、米経済や雇用情勢の現状把握を困難にし、米
経済に対する不安感を強め、安全資産を求める動きを刺激する一因になっている。
 同時に米経済指標の発表遅れや精度の低下は、FRBにとっては12月9〜10日の
開催が予定されている次回の米公開市場委員会(FOMC)までに金融政策の方向性を
定めるに十分な経済指標が集まるのは困難であることを意味している。米連邦準備理事
会(FRB)内では年内の追加利下げの肯定派、慎重派の双方の見解が聞かれている
が、金融政策決定の十分な根拠となり得る手掛かりに乏しいなかでFRBが追加利下げ
決定に向かうかどうか見通しには不透明感が強い。
 米雇用情勢悪化に対する警戒感が強く、目先は1か月遅れの内容ながら20日に発表
される9月雇用情勢の内容が注目される。今回の雇用統計の内容は9月分だけに米政府
機関の一部閉鎖の間に新たに登場したADPの週次雇用統計とは時期が異なるが、10
月を通して民間雇用者数が縮小していたとするADP週次雇用統計の内容の兆候を示す
様子が示されるようであれば、雇用悪化に対する警戒感が強まることになりそう。
 根拠にするに十分な経済指標に乏しいことは、米経済不安を高める一方で米追加利下
げ観測を後退していることが、NY金12月限の上下の抵抗となっている。ただ、SP
DRの金ETF残高は22年6月以来の高水準を維持するなど、金に対する安全資産を
求める動きの根強さも示している。4000ドルが支持線として意識され、堅調に推移
か。
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