【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における10月 14日時点の大口投機家の売り越しは479万0615枚となり、前週の468万 7062枚から拡大した。取組高合計は5066万4530枚となり、前週から31万 0503枚(0.6%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.1%減、債券 合計が0.1%増、為替合計が0.9%減となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 4.0%増、エネルギー合計は2.1%増、金属合計は0.4%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売りが買い戻 しを上回って売り越しを拡大、債券で新規買いが新規売りを上回って売り越しを縮小し た。為替は手じまい売りが新規売りが出て売り越し(ドル買い)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 10月13日の週は、米中の貿易摩擦に対する懸念や米政府機関閉鎖の長期化の可能 性を受けて先行き不透明感が高まった。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が3万7166枚買い越し(前週4万6307 枚買い越し)、ユーロは10万8325枚買い越し(同11万8365枚買い越し)、 英ポンドは1万1629枚売り越し(同4476枚売り越し)となった。ユーロは手じ まい売りが買い戻しを上回って買い越しを縮小した。 商品市場では、原油が米中の貿易摩擦に対する懸念などを受けて売り優勢となった。 金は米中の貿易摩擦に対する懸念や米政府機関閉鎖の長期化の可能性を受けて史上最高 値を更新した。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が6万0991枚買い越し(前週 7万4309枚買い越し)に縮小した。新規売りが新規買いを上回った。ニューヨー ク金は20万3916枚買い越し(同23万1956枚買い越し)に縮小、ニューヨー ク・プラチナは1万8953枚買い越し(同1万8341枚買い越し)に拡大した。金 は手じまい売り、新規売りが出て、プラチナは買い戻しが手じまい売りを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが12万0964枚売り越し(前週9万 2353枚売り越し)、大豆は4万6165枚買い越し(同3万9874枚買い越し) に拡大した。コーンは新規売りが新規買いを上回り、大豆は新規買い、買い戻しが入っ た。10月13日の週のコーンは、米産地のイールドの下方修正観測を受けて買い優勢 となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。