【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における10月 21日時点の大口投機家の売り越しは484万0643枚となり、前週の479万 0615枚から拡大した。取組高合計は5071万4213枚となり、前週から4万 9683枚(0.1%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.2%減、債券 合計が0.6%増、為替合計が0.2%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 0.3%減、エネルギー合計は2.0%減、金属合計は1.9%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買いが新規売りを 上回って売り越しを縮小、債券で新規売りが新規買いを上回って売り越しを拡大した。 為替は新規買い、買い戻しが入って売り越し(ドル買い)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 10月20日の週は、米中の貿易摩擦に対する懸念や米政府機関の一部閉鎖が続いて いることを受けて先行き不透明感が残った。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が7万0414枚買い越し(前週3万7166 枚買い越し)、ユーロは11万1752枚買い越し(同10万8325枚買い越し)、 英ポンドは1万6775枚売り越し(同1万1629枚売り越し)となった。ユーロは 新規買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油が米国の対ロ制裁強化を受けて買い優勢となった。金は米中の貿 易摩擦に対する懸念や米政府機関の一部閉鎖が続いていることを受けて史上最高値を更 新したのち、ドル安一服を受けて調整局面を迎えた。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が3万9800枚買い越し(前週 6万0991枚買い越し)に縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。ニューヨーク 金は17万6609枚買い越し(同20万3916枚買い越し)、ニューヨーク・プラ チナは1万6874枚買い越し(同1万8953枚買い越し)に縮小した。金は手じま い売り、新規売りが出て、プラチナは手じまい売りが買い戻しを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが8万3343枚売り越し(前週12万 0964枚売り越し)に縮小、大豆は7万7616枚買い越し(同4万6165枚買い 越し)に拡大した。コーンは買い戻しが手じまい売りを上回り、大豆は新規買い、買い 戻しが入った。10月20日の週のコーンは、大豆や小麦の上昇を受けて買い優勢とな った。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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