【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における11月 4日時点の大口投機家の売り越しは522万7343枚となり、前週の488万 7955枚から拡大した。取組高合計は5057万7559枚となり、前週から27万 3490枚(0.5%)減少した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が0.5%増、債券 合計が0.9%減、為替合計が1.9%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 0.9%減、エネルギー合計は0.4%減、金属合計は1.1%減となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式、債券で手じまい売り、 新規売りが出て売り越しを拡大した。為替は手じまい売り、新規売りが出て売り越し (ドル買い)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 11月3日の週は、米金融当局者の利下げ否定発言が目立ち、米連邦準備理事会(F RB)の利下げ観測が後退した。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が5万1265枚買い越し(前週6万8115 枚買い越し)、ユーロは9万1795枚買い越し(同10万7333枚買い越し)、英 ポンドは5万5019枚売り越し(同2万0262枚売り越し)となった。ユーロは新 規売りが新規買いを上回って買い越しを縮小した。 商品市場では、原油が供給過剰懸念や米原油在庫の増加を受けて売り優勢となった。 金は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退に上値を抑えられたが、安値拾いの 買いが下支えになった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が7万4907枚買い越し(前週 6万5601枚買い越し)に拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。ニューヨ ーク金は20万2307枚買い越し(同20万4664枚買い越し)、ニューヨーク・ プラチナは1万8694枚買い越し(同1万9550枚買い越し)に縮小した。金は手 じまい売りが買い戻しを上回り、プラチナは新規売りが新規買いを上回った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが5180枚買い越し(前週1万3862枚売 り越し)に転じ、大豆は21万7424枚買い越し(同15万7193枚買い越し)に 拡大した。コーンは新規買いが新規売りを上回り、大豆は新規買い、買い戻しが入っ た。11月3日の週のコーンは、大豆高が支援要因になったが、米国の供給増加に上値 を抑えられた。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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