CFTC大口投機資金動向(11/10時点):金買いが拡大

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【概略】
 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における11月
10日時点の大口投機家の売り越しは509万9865枚となり、前週の522万
7343枚から縮小した。取組高合計は5090万1308枚となり、前週から32万
3749枚(0.6%)増加した。
 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.1%増、債券
合計が1.0%増、為替合計が0.6%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が
0.1%減、エネルギー合計は1.0%減、金属合計は1.3%増となった。
 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式、債券で新規買いが新規
売りを上回って売り越しを縮小した。為替は手じまい売り、新規売りが出て売り越し
(ドル買い)を拡大した。

【現在の市場テーマと大口投機家の動向】
 11月10日の週は、米政府機関の再開期待から米連邦準備理事会(FRB)の利下
げ観測が高まった。米議会でつかぎ予算案が可決され、13日にトランプ米大統領が署
名した。ただ経済指標発表に対する不透明感が残った。
 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が4万8476枚買い越し(前週5万1265
枚買い越し)、ユーロは7万3589枚買い越し(同9万1795枚買い越し)、英ポ
ンドは8万1004枚売り越し(同5万5019枚売り越し)となった。ユーロは手じ
まい売り、新規売りが出て買い越しを縮小した。

 商品市場では、原油が石油輸出国機構(OPEC)月報で供給過剰懸念が出たことを
受けて売り優勢となった。金は米政府機関の再開期待から米連邦準備理事会(FRB)
の利下げ観測が高まったことを受けて買い優勢となったが、経済指標発表に対する不透
明感や米金融当局者の利下げに対する慎重な発言を受けて上げ一服となった。
 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が6万0384枚買い越し(前週
7万4907枚買い越し)に縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。ニューヨーク
金は20万7069枚買い越し(同20万2307枚買い越し)、ニューヨーク・プラ
チナは1万8885枚買い越し(同1万8694枚買い越し)に拡大した。金、プラチ
ナともに新規買いが新規売りを上回った。

 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが4万3013枚買い越し(前週5180枚買
い越し)、大豆は22万8126枚買い越し(同21万7424枚買い越し)に拡大し
た。コーンは新規買い、買い戻しが入り、大豆は新規買いが新規売りを上回った。11
月10日の週のコーンは、米農務省(USDA)が輸出成約高の発表を再開したことが
支援要因になったが、飼料用需要の落ち込みを受けて反落した。
MINKABU PRESS 東海林勇行

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。