<金> NY金2月限は昨年12月26日に4584ドルまで上昇したが、29日に暴落とな り、31日に4284.3ドルまで下落し、同月11日以来の安値をつけた。年明けか ら出直り、14日に4650.50ドルを付けて指標限月として史上最高値を更新し た。翌15日は反落に転じているが、4600ドル台を維持して終えており、下値の堅 さを示す動きとなっている。 今月3日に米トランプ政権がベネズエラの首都を攻撃し、マドゥロ大統領を拘束して 以降、米国による軍事力の行使がロシア、中国を含めた他国への飛び火に対する警戒感 を高めていることが金市場の地合いの強さの背景となっている。 特にトランプ大統領がベネズエラへの軍事攻撃の翌日にはコロンビアのペトロ大統領 を名指しして警告していることは、中南米諸国での米国による更なる攻撃に対する警戒 感を強めている。 さらに、抗議デモが拡大を見せているイランに対してもトランプ大統領が自身のSN Sにおいて抗議者を支持する発言を行ったことで米国によるイランへの介入も警戒され る。 これまでのところ、米国によるイランへの軍事攻撃は行われていないものの、第2期 トランプ政権が誕生して以来、これまで想定外の政策が多々見られてきただけに、サプ ライズ的な動きが見られてもおかしくはない。 これらの地政学不安に加え、米国内では11日に米連邦準備理事会(FEB)のパウ エル議長が自身が刑事捜査の対象となったことを明らかにしたことでFRBの独立性に 対する懸念が強まっている。トランプ大統領はパウエル議長の早期解任の予定を否定し ているものの、これまでは利下げを求めるトランプ大統領に対しパウエル議長は慎重な 姿勢を維持している。トランプ大統領による想定外の政権運営が続いていることでパウ エル議長の早期解任懸念は今後もくすぶると見られる。 パウエル議長が任期を終えた後はハセット国家経済会議(NEC)委員長が後任との 観測も根強い。同氏が議長に就任した場合、トランプ大統領の意向を受けて金融緩和の 動きが強まると見られている。 米経済および雇用情勢は底固さを見せているものの、世界的に広がる地政学不安や想 定外のトランプ大統領による政権運営はドル離れの動きを活発化させると同時に、安全 資産を求め動きを刺激している。 SPDRの金ETF残高は、金価格が史上最高値を更新するなかでも増加傾向を維持 し13日には22年6月17日以来の高水準となる1074トン台まで膨らんでいる。 米国内外で高まる懸念を受けて金には引き続き逃避買い需要が見られると予想され、 NY金2月限は4600ドル前後での高下が見込まれる。 <銀> NY銀3月限は今月9日まで8000セントを上値抵抗線として意識する高もみとな っていたが、12日に9000セントを上抜いたことをきっかけに騰勢を強め15日に は9370セントまで浮上し、史上最高値を更新した。 世界的な電力需要や脱炭素の動きの高まりが予想されるなか、工業用としての需要 の増加が見込まれていることが引き続き買い支援要因になっている。 高値更新後だけに利益確定の売りが見られる可能性が高まっているが、需給要因を手 掛かりにしての上伸だけに底意は強く、15日の安値8612.50セントが目先の下 値支持線として意識されるなかでの高もみ継続となりそうだ。 <白金> NY白金4月限は昨年12月29日に2584.50ドルの高値を付けた後に値を落 としながらもすぐに買い戻されたが、今年に入ってからは2490ドルが上値抵抗線と して意識されている。16日のアジア時間の時間外取引で大幅反落となり、2300ド ル台前半まで押し目を形成している。 金、銀の上伸が意識されながらも2026年は供給過剰が見込まれていることが重石 となっている。新規の需給要因が浮上がなければ、金、銀の動きに左右される展開か。 金、銀が日柄調整局面入りとなれば、2250〜2300ドルのレンジまでの下落があ るとみる。このレンジ内で新規買いが喚起されるかに注目したい。 <パラジウム> NYパラジウム3月限は今年に入ってから堅調で推移し12日には1974ドルまで 値を伸ばしていたが、その後は反落に転じ1900ドルを上値抵抗線にしてのもちあい が続いている。 需給改善見通しを受けて白金が伸び悩んでいるため、白金との比価からパラジウムの 伸びも限られると予想される。今月8日の安値1738.00ドルが支持線として意識 され、1750ドル前後で下げ渋りか。 MINKABU PRESS
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