ドル円、米雇用統計を受けて激しく上下動=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル円、米雇用統計を受けて激しく上下動=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、1月の米雇用統計を受けてドル円は激しく上下動した。発表直後にドル買い戻しが強まり、ドル円は154円台半ばに急上昇。しかし、すぐに急速に売られ、今度は152円台に下落する展開。その後も下値模索は続き、一時152円台半ばまで下落する場面も見られた。

 米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が13万人増と予想を上回り、失業率も4.3%に低下。雇用者数は1年超ぶりの大幅増となり、労働市場が引き続き安定化していることを示唆した。これを受けて、前日に高まっていたFRBの年内利下げ期待は後退。短期金融市場では、次回の利下げ期待が従来の6月から7月に後退している。

 NY連銀のレートチェックの観測で急落した1月の安値水準が152円台前半だが、その水準を視野に入れた動きが再開。衆院選に向けて円ショートが積み上がっていたことから、ショートカバーが出ており、ドル円の上値を抑えているとの見方も出ている。衆院選は高市首相率いる自民党が圧勝し、積極財政の議員も多数復活しているが、日本国債は落ち着いた値動きをしており、足の速い投機筋がポジションを解消しているとの指摘も出ていた。市場は、財政拡大の可能性を市場はあまり懸念していないことが示唆されているという。

 円の適正水準を踏まえれば、現在の戦術的な上昇が継続し、ドル円は150円に向かっても不思議ではないとの指摘も聞かれる。ただ、金曜日の消費者物価指数(CPI)次第だが、経済が予想以上のパフォーマンスを続ける中、FRBの焦点はインフレに向かい、リスクバランスはよりタカ派に傾く可能性があるとの見方も出ていた。

 ユーロドルは戻り売りに押され、一時1.18ドル台半ばに下落。一方、ユーロ円も一時181円台半ばまで下落したものの、その水準には強い下値サポートも観測され、181円台後半に下げ渋った。円買い戻しの流れもあり、明日以降ブレイクするか注目される展開が見られている。ブレイクすれば本日180.65円付近に来ている100日線が下値メドとして意識。

 一部のECB理事は、ユーロドルが1.20ドルを超えた場合、追加利下げのリスクを示唆するなど口先介入に動くとの指摘がアナリストから出ている。ただし、インフレ見通しの大幅な下方修正と利下げの可能性を引き起こすには、恐らく1.25ドルに達する必要があるとも述べた。散発的な為替に関するコメントは、ドル主導のユーロ上昇を抑制する効果はほとんどないという。

 ポンドドルは1.36ドル台前半まで下落。本日の21日線が1.36ドルちょうど付近に来ているが、その水準は堅持しており、上向きのトレンドは維持されている。一方、ポンド円は円買い戻しの動きが加速しており、強いサポートとなっていた210円ちょうどの水準をブレイクし、208円台前半まで下落する展開が見られた。

 現時点でポンドを売るのは時期尚早だが、4月以降は弱含む可能性があるとの見方が米大手銀のストラテジストから出ている。大きくポンド安に賭ける好機は、5月初旬の英地方選挙を控えた時期に訪れる可能性があるという。ひとまず落ち着いているとはいえ、その選挙を前に、スターマー英首相への政治的圧力が再び強まる可能性があることが要因だという。

 第2四半期には政治リスクと利下げのダブルパンチによりポンドは弱含むと見ているという。この1週間で市場はこれら2つのリスクの兆しを多少織り込み始めているが、本格的に賭けるタイミングは5月初旬の地方選挙を控えた局面になると見込んでいる。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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