<金> NY金の指標期近4月限は米国によるイラン攻撃を受け地政学不安が高まるなか、一 時5434.1ドルと1月30日以来の高水準まで浮上したが、その後はリスク回避の 動きやドル買いの動きが続くなか、値を落としている。今月3日に2月20日以来の低 水準となる5005ドルまで値を落としたところで買い戻されたが、5200ドルが近 づくと上値を抑制される動きが続いている。 米国によるイラン攻撃の期間についてトランプ米大統領は4〜5週間を目安にしてい るものの、現時点では見通しに不透明感が強く長期化の恐れも浮上している。 また、イランが世界の石油流通量の20%程度を占めるホルムズ海峡を封鎖したこと により石油供給不安が高まり原油価格が上昇していることで、米国でのインフレ懸念が 高まっている。 米国内のインフレは昨年のトランプ米政権による関税引き上げと、その後の価格転嫁 の動きによって継続的な物価の上昇が警戒されてきた。ここにイランへの軍事攻撃に伴 う石油需給引き締まり懸念が浮上したことで、インフレ加速化がさらに懸念され状況と なっている。 1月の米公開市場委員会(FOMC)議事録で一部参加者から利上げの可能性を言及 する声が挙がっていたことが明らかとなっているが、今回の原油高は米国の利下げ観測 をさらに後退させる要因となる。 この地政学不安に加え、トランプ米政権の国際緊急経済権 限法(IEEPA)を根 拠にする関税に対する違法判決後の税還付の可能性なども米政権不安を高める一因とな っている。 既に一部では違法とされた関税の還付を求める声も挙がっているが、実際に関税が還 付されるとなると、最大で1700億ドル規模に達すると見られている。還付が必要と なれば米財政が圧迫されるのは必至となる。 最高裁による違法判決後、すぐにトランプ米政権が代替関税を発表し、その賦課が開 始されているが、米関税をめぐる動きも見通しに不透明感を残している。 中東情勢不安の長期化に対する警戒感が高まるなか、インフレ高進とこれを受けた 利下げ観測の後退がドル買いの動きを刺激していることで、NY金は引き続き5200 ドルを上値抵抗線にして高下すると見られる。 ただ、米国内外の不安要因が安全資産を求める動きを刺激していることでNY金は買 い支えられると見られ、5000ドル台を維持しながらの高もみが想定される。 <銀> NY銀5月限はNY金の堅調に追随高となり、今月2日に9730セントまで値を伸 ばす場面が見られた。その後は金が値を落とすに伴って値位置を落としている。ただし 8000セントが近づくと買い戻されるなど底意の強さを窺わせる動きが続いている。 イランを巡る中東不安の長期化を受けリスク回避の動きや原油高によるインフレ高進 が米利下げ観測を後退させていることが上値抑制要因ながら、太陽光発電などの工業用 需要期待も根強い。 引き続き8000セントを下値支持線にしての取引が想定される。 <白金> NY白金4月限は今月2日に2450ドル台まで値を伸ばした後に反落に転じたが、 2000ドル割れには抵抗を見せている。 3月上旬に大きく高下したことで、目先の売買要因を織り込んだと見られ、今後の上 下の幅は限られることになりそう。 2月2日から24日にもちあった2000ドル〜2200ドルのレンジを中心にして の往来が見込まれる。 <パラジウム> パラジウム6月限は独自の要因に欠けるなか、白金の頭重い動きに追随している。 今月3日に大きく値を落とした後は1700ドルが上値抵抗線として意識される動きと なっている。 5日間移動平均が上値抵抗線として意識されるなど、チャート面の頭の重さからも、 1700ドルを上値抵抗線にしてのもちあいとなりそうだ。 MINKABU PRESS
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。