金・銀週間展望=もみ合い、イラン戦争で安全資産のドル買い

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [3月9日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2027 年  2 月限  3 月 2 日〜 3 月 6 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          27,000    28,420 ( 3)   26,400 ( 4)     27,065          +25
  銀           465.0     465.0 ( 2)    426.0 ( 4)      426.0        -24.0
 プラチナ      11,720    11,983 ( 2)    9,938 ( 4)     10,806         -994
 パラジウム     9,000     9,000 ( 2)    8,500 ( 4)      8,500         -500
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
         5  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 4) 5,078.7    -169.2   | ドル・円    157.87      1.97 円安
  銀       ( 5) 8,218.1   -1111.0   | 日経平均  55,620.84       -3229.43
 プラチナ   ( 4) 2,129.3    -244.2   | NY原油 ( 4)  81.01         +13.99
 パラジウム ( 6) 1,650.00   -178.50  |* ドル・円は15時45分現在、原油は  5日
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【前回のレビュー】
 金はトランプ関税の不透明感やイラン情勢に対する懸念が支援要因、とした。
 金はイスラエル・米国のイラン攻撃が支援要因になったが、安全資産のドル買いを受
けて上げ一服となった。現物相場は1月30日以来の高値5417.15ドルを付けた
のち、上げ一服となった。金先限は1月29日以来の高値2万8420円を付けたの
ち、上げ一服となった。
 イスラエルと米国がイランを攻撃し、最高指導者ハメネイ師が殺害された。イランの
政治家ラリジャニ氏が臨時指導部を設置すると表明した。イランは湾岸諸国に対しミサ
イルやドローンによる報復攻撃を実施し、ホルムズ海峡を封鎖した。トランプ米大統領
は、イランに対する軍事攻撃を必要な限り継続する考えを示し、4つの目標を示した。
イランのミサイル能力排除や同国海軍の破壊、核兵器取得の道を断つことに加え、イラ
ンが国外のテロ組織に武器や資金を提供したり、指揮したりできないようにすることが
狙いだとした。4〜5週間を想定としている。ヘグセス米国防長官は4日、米軍の潜水
艦がインド洋で、イラン軍艦を沈めたと発表した。イランは5日、ペルシャ湾北部で米
国の石油タンカーをミサイル攻撃した。原油が急伸し、先行き不透明感が強まるなか、
ドルが安全資産として買われた。またイランでは、専門家会議で最高指導者ハメネイ師
の後任選びが進められた。ハメネイ師の次男モジタバ師が有力候補とみられている。た
だトランプ米大統領は反対し、イランの指導者選出に自らが関与する必要があると述べ
た。
 米国際貿易裁判所は、トランプ米政権が課した関税のうち、米最高裁が違法と判断し
た関税について、輸入業者に対して払い戻しを開始するよう命じた。払い戻しには利息
を付けるよう求めた。税関・国境警備局(CBP)に対し、問題となる関税を含めずに
輸入コストを確定させるよう指示した。CBPは関税を課さずに輸入コストを確定させ
る作業は前例のない規模で、最大4カ月の時間を求めていた。一方、ベセント米財務長
官は、米大統領が一律10%の関税を15%に引き上げる計画について、今週中にも実
施される可能性が高いとの見通しを示した。欧州連合(EU)は米国との既存の通商合
意があること踏まえ、15%の関税は適用されないとみられている。
【金ETF残高は減少】
 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は5日時点で
1258.93トンとなり、前週末比20.07トン減少した。米国で20.29ト
ン、英GBSで0.02トン減少、英ETFSで0.20トン、オーストラリアで
0.05トン増加した。安全資産のドル買いを受けて投資資金が流出した。一方、米商
品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月24日時点のニューヨー
ク金の大口投機家の買い越しは15万9177枚となり、前週の15万9915枚から
縮小した。今回は手じまい売りが1783枚、買い戻しが1045枚入り、738枚買
い越し幅を縮小した。
 1月の米生産者物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇し、事前予想の0.3%上
昇を上回った。12月分は0.5%上昇から0.4%上昇に下方改定された。企業が輸
入関税によるコスト上昇を転嫁したことが要因とみられ、今後数カ月でインフレが加速
する可能性を示唆した。2月の米ISM製造業購買担当者景気指数は52.4と前月の
52.6からほぼ横ばい。事前予想は51.8。節目を示す50を2カ月連続で上回っ
たが、投入価格指数が約3年半ぶりの高水準に上昇し、輸入関税を背景にインフレの上
振れリスクを示した。米ISM非製造業総合指数は56.1と前月の53.8から上昇
した。堅調な需要を背景に2022年7月以来の高水準となった。2月のADP全米雇
用報告では民間雇用者数が6万3000人増加し、過去7カ月で最大の増加となった。
また原油高によるインフレ懸念を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が後
退した。
【銀はドル高や金反落が上値を抑える】
 銀の現物相場はイスラエル・米国のイラン攻撃が支援要因になり、1月30日以来の
高値96.36ドルを付けたが、安全資産のドル買いや金反落を受けて上げ一服となっ
た。中国で全国人民代表大会(全人代)が開幕し、李強首相は政府活動報告で2026
年の経済成長率目標を4.5〜5.0%に設定したと発表した。昨年実績の5%から小
幅に引き下げ、過剰生産能力の抑制や経済のリバランスに向けた取り組みを進める。中
国経済の見通しも確認したい。
 5日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比44.83トン
減の1万5947.57トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建
玉明細報告によると、2月24日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは2万
2260枚となり、前週の2万4003枚から縮小した。
当面の予定(イベント・経済統計)
 9日 国際収支(経常収支) 2026年1月(財務省)
    中国消費者物価指数 2026年2月(国家統計局)
    中国生産者物価指数 2026年2月(国家統計局)
    独鉱工業生産指数 2026年1月(経済技術省)
10日 全世帯家計調査・消費支出 2026年1月(総務省)
    国内総生産 2025年10-12月期2次速報 (内閣府)
    中国貿易収支 2026年2月(税関総署)
    独貿易収支 2026年1月(連邦統計庁)
    米中古住宅販売統計 2026年2月(全米不動産協会)
11日 企業物価指数 2026年2月(日本銀行)
    独消費者物価指数 2026年2月確報(連邦統計庁)
    米消費者物価指数 2026年2月(労働省)
    米財政収支 2026年2月(財務省)
12日 米新規失業保険申請件数(労働省)
    米生産者物価指数 2026年2月(労働省)
13日 英貿易収支 2026年1月(国立統計局)
    英鉱工業生産指数 2026年1月(国立統計局)
    ユーロ圏鉱工業生産 2026年1月(EUROSTAT)
    米国内総生産 2025年10-12月期改定値(商務省)
    米個人所得・支出 2026年1月(商務省)
    米消費者信頼感指数 2026年3月速報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
※投資や売買については御自身の判断でお願いします。

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