金・銀週間展望=軟調、イラン戦争長期化の見方が圧迫

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [3月23日からの1週間の展望]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   週間高低(カッコ内は日)   2027 年  2 月限  3 月 16 日〜 3 月 19 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          27,142    27,322 (16)   25,514 (19)     25,514       -1,655
  銀           400.0     400.0 (16)    389.9 (19)      389.9        -36.1
 プラチナ      10,655    11,050 (17)   10,025 (19)     10,076         -674
 パラジウム     8,000     8,100 (17)    7,800 (19)      7,800         -700
======================================
  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        18  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 4) 4,896.2    -165.5   | ドル・円    159.70      0.35 円安
  銀       ( 5) 7,759.2    -375.1   | 日経平均  53,372.53      -447.08
 プラチナ   ( 4) 2,056.6     +14.5   | NY原油 ( 5)  95.46        -1.38
 パラジウム ( 6) 1,536.60    -43.10  |* ドル・円は 15時45分現在、原油は 18日
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【前回のレビュー】
 金はイラン戦争で原油高とドル高が上値を抑える要因、とした。
 金はイラン戦争長期化の見方を背景とした原油高やドル高を受けて売り優勢となっ
た。現物相場は2月6日以来の安値4786.32ドルを付けた。金先限は2月20日
以来の安値2万5514円を付けた。
 トランプ米大統領は13日、イランの石油輸出拠点であるカーグ島で軍事目標を空爆
したと発表した。カーグ島はイランの原油輸出の約9割を担っている。揚陸艦が派遣さ
れ、地上部隊で占拠する案も検討されている。また米大統領はホルムズ海峡の封鎖解除
に向けて、各国に船舶の通航再開を支援するよう呼び掛けたが、各国は慎重姿勢を示し
た。18日にはイランとイスラエルによる中東の主要エネルギー施設への攻撃の応酬が
続いた。イスラエルがイランのブシェール州サウスパースの天然ガス関連施設を空爆す
ると、イランの革命防衛隊(IRGC)はサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UA
E)、カタールの石油施設に対して避難するよう警告を発し、カタールのラスラファン
工業地区を攻撃した。またイスラエルはイランの最高安全保障委員会のラリジャニ事務
局長やハティブ情報相を殺害した。イランの新最高指導者モジタバ師は報復を警告して
いる。
 3月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値は55.5と前月の確報値56.6から
低下した。中東情勢の悪化を受けたガソリン価格上昇や、家計財政悪化への懸念が背景
にある。事前予想は55.0。2月の米鉱工業生産指数は前月比0.2%上昇と伸びは
事前予想の0.1%を上回った。2月の米生産者物価指数(PPI)は前月比0.7%
上昇で前月の0.5%上昇から予想外に加速した。昨年7月以来の大幅な伸びとなっ
た。事前予想は0.3%上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファン
ド(FF)金利誘導目標を3.50〜3.75%に据え置くことを決定した。据え置き
は2会合連続。最新の金利・経済見通しではインフレ率の上昇が示されたほか、年内の
利下げ回数は1回にとどまるとの見通しを維持した。
【金ETF残高は減少】
 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は18日時点で
1247.46トンとなり、前週末比2.34トン減少した。米国で2.01トン、英
GBSで0.02トン、英ETFSで0.31トン減少した。原油高とドル高を受けて
投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告による
と、3月10日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは16万3132枚とな
り、前週の16万0145枚から拡大した。今回は新規買いが1693枚、買い戻しが
1294枚入り、2987枚買い越し幅を拡大した。
 オーストラリア準備銀行は、政策金利を25ベーシスポイント(BP)引き上げて
4.10%とした。インフレ抑制には借り入れコストの引き上げが必要と判断し、2カ
月連続で利上げを決めた。ただ採決では5人が利上げに賛成したのに対し、4人が反対
した。ブロック総裁は政策決定後の記者会見で、票の割れは方向性ではなくタイミング
を反映したものであり、追加の引き締めが必要であるという点では全ての理事会メンバ
ーが一致したと強調した。市場は5月の追加利上げ確率を40%と見込んでおり、8月
までに4.35%へ引き上げられることを織り込んでいる。中東紛争の激化を受けて原
油価格が急騰し、インフレ圧力が強まるとみられている。1月のオーストラリアの消費
者物価指数(CPI)は前年比3.8%上昇した。伸びは前月から横ばいで事前予想の
3.7%を上回った。原油高を受けてニュージーランド中銀も7月に利上げするとの見
方が出ている。
【銀は原油高やドル高、金急落が圧迫】
 銀の現物相場は原油高やドル高、金急落が圧迫要因となり、2月18日以来の安値
72.60ドルを付けた。イラン戦争長期化の見方や中東の紛争拡大で先行き懸念が強
い。原油高でドルが安全資産として買われたが、実体経済への影響も確認したい。
 18日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比195.78
トン減の1万5264.40トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)
の建玉明細報告によると、3月10日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは
2万4578枚となり、前週の2万3338枚から拡大した。
当面の予定(イベント・経済統計)
23日 米建設支出 2026年1月(商務省)
24日 消費者物価指数 2026年2月(総務省)
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2026年3月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2026年3月速報(Markit)
25日 英消費者物価指数 2026年2月(国立統計局)
    独景況感指数 2026年3月(ifo)
    米耐久財受注 2026年2月速報値(商務省)
26日 米新規失業保険申請件数(労働省)
27日 中国工業利益 2026年2月(国家統計局)
    英小売売上高 2026年2月(国立統計局)
    米卸売在庫 2026年2月速報値(商務省)
    米消費者信頼感指数 2026年3月確報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
※投資や売買については御自身の判断でお願いします。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。