貴金属4品週間見通し=金は米利下げ観測の後退や金利上昇が上値を抑制

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<金>
 NY金6月限は4750ドル前後での推移が続いていたが、今週に入ってから軟化傾
向を強め、29日に4522.2ドルと3月31日以来の安値まで値を落とした。30
日に買い戻されたものの、4600ドル台後半まで戻したところで売り直されており、
上昇に対する抵抗を窺わせる動きとなっている。
 NY金の重石となっているのが、米10年債の利回りの上昇と、米連邦準備理事会
(FRB)による利下げ観測の後退だ。
 4月28〜29日にかけて開催された米公開市場委員会(FOMC)では金利の据え
置きが決定されたが、その根拠の一つとしてインフレ率が2%を上回る状況が継続して
いることがパウエルFRB議長によって指摘されている。
 2月28日に米国がイランを攻撃して以来、原油価格が高騰し、その後、高止まりが
続いている。この原油価格の上昇を受けて3月の米消費者物価指数は前年同月比で
+3.3%を記録。また、3月の米小売売上高も前月比で+15.5%の大幅上昇を記
録したガソリン スタンドの伸び率が主因となり、全体でも前月比で+1.7%で事前
予想の+1.4%を上回る伸びを見せている。
 NY原油は3月12日以降に90ドル台で価格が定着した。また、4月は概ね90ド
ルを上回る水準での高下が続いたうえ、100ドル台まで上昇する場面が見られてい
る。そのため、原油の平均価格は4月が3月を上回っており、これが消費者物価指数を
さらに押し上げることが見込まれる。
 原油価格の高騰が続きインフレ高進が見込まれる状況下では、利下げ観測は後退する
と同時に米国債が売られて金利が高止まりすると予想される。そのため金利を生まない
とされる金よりも、金と同様に安全資産としての役割をもちつつ金利より差益が生じる
米国債やドルへと資金が流入することが想定される。そのため、NY金は引き続き上値
を抑制される動きが続きそうだ。
 一方では、米国とイランの和平協議が停滞していることで、中東情勢不安の長期化が
懸念される。また、米国ではインフレ高進が見られるなか賃金が伸び悩んでいることも
明らかとなっており、米経済不安も根強い。
 利下げ観測が遠のいた状態で活発な資金の流入は予想し難いものの、安全資産として
金を求める動きも根強くNY金6月限は4500ドルを支持線にしての高下が続くと予
想する。
<銀>
 NY銀7月限はNY金の頭重い動きに連動安となったが、29日に7131セントま
で値を落とした後は切り返している。
 米国とイランの和平協議に進展が見られず、中東情勢不安が長期化すると予想される
ことはNY銀市場でも上値抑制要因になると見られる一方、米株式市場は堅調を維持し
ており産業用としての銀需要の根強さも窺われる動きとなっている。
 インフレ高止まりとこれを受けた利下げ後退観測がNY金の重石となっていることで
上値を抑制されると見られる一方、根強い産業用需要に支えられ、7100セントを
下値支持線としての高下が続くと見られる。
<白金>
 NY白金7月限は4月29日にかけて軟化し1900ドルを割り込む場面も見られた
が、すぐに切り返して30日は一時2001.1ドルまで反騰した。
 米国のインフレ高止まりとこれを受けた利下げ観測の後退がNY金市場と同様に弱材
料となっているが、3月下旬以来と約1か月ぶりの水準まで値を落としたことで売り一
巡感も強まっている。
 金、銀の動きに左右されやすいが、産業用としての需要の底固さも想定されるだけに
ここから先の下げ余地は限られ、1900ドル台を維持して下値堅く推移すると予想。
<パラジウム>
 NYパラジウム6月限は4月23日以降、1500ドルを下回る場面が目立っていた
が、30日の取引で地合いを引き締めて終値ベースで1500ドル台を回復している。
売りが一巡したうえで買い戻された形だけにチャート面から底意は強く、1500ドル
前後を維持する底固い動きが見込まれる。
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