<金> NY金6月限は4月21日以降、買い戻す動きが見られながらも総じて下値を探る動 きとなり5月4日に4510.1ドルと3月31日以来の安値まで値を落とした。その 後は反発に転じて7日に4775.2ドルまで反発したが、上げ幅を縮小し4700ド ルを割り込んで取引を終え、上昇に対する抵抗も窺わせている。 2月末の米国によるイラン攻撃直後は有事の金としての需要からNY金が浮上する場 面が見られたが、3月下旬に大きく値を落とした後は頭重い動きが続いている。安全資 産を求める動きよりも、原油価格の高騰を受け、米長期金利が上昇し、米連邦準備理事 会(FRB)による利下げ観測を後退させる流れが金市場の重石となっている。 5月に入って軟化傾向にあったNY金が反発に転じたのは、米国とイランの和平協議 の進展期待が高まり、戦闘終結も近いとの見方が強まると同時に、戦闘終結期待が原油 価格の下落を促したことが背景となった。 現時点では戦闘終結に向けて提案されている枠組みは、戦闘の正式な終結、ホルムズ 海峡の開放、より広範な合意に向けた30日の交渉期間の設定と3段階が想定され、イ ランからの返事待ちの状態となっている。 NY金は引き続き米国とイランの戦闘終結に向けた交渉を睨みながらの一進一退の動 きが続くと見られる。 戦闘終結に向けた交渉に進展が見られるようであれば、原油価格の下落に加え、これ までの原油価格高騰が米経済に与えた影響に対する意識が高まり、安全資産として金を 求める動きも刺激される可能性がある。 その一方で、戦闘終結に向けた動きが停滞するようであれば原油価格が再び上昇しか ねない。原油価格が再度、急騰となれば金は引き続き上値を抑制されることになりそう だ。 なお、注目されるのは12日に発表される4月の米消費者物価指数(CPI)だ。3 月の米消費者物価指数(CPI)では前月比で3%台の伸びを見せていた。4月に入っ て原油価格水準がさらに上昇していたため、4月CPIは再びインフレ高進の動きを見 せる可能性がある。その時点での米国とイランの戦闘終結に向けた交渉の状況次第なが ら、戦闘終結に不透明感が強い状態のなかで4月CPIの上昇が確認されるようであれ ば、NY金市場にとって下押し要因となる可能性がある点に注意しておきたい。 <銀> NY銀7月限はNY金に追随高となり7日は4月17日以来の高値となる8267. 5セントまで値を伸ばしたが、終値では8000セント台を維持できず。 NY金と同様に米国とイランの戦闘終結に向けた交渉を睨みながらの一進一退の動き が続いている。 一方では世界的な人工知能(AI)への設備投資などによる産業用としての需要観測 が下支え要因となり、7日の安値7745.5セントが支持線となり、下値堅く推移 か。 <白金> NY白金7月限は2000ドルを挟んでの高下が続いている。米国とイランの戦闘に よる原油価格の高騰、米利下げ観測の後退はNY金市場と同様にNY白金市場でも上値 を抑制する要因になっている。その一方で世界的な人工知能(AI)への設備投資やこ れを受けた産業用としての需要増加期待が買い支援要因になっている。 26年の世界白金需給についてワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシ ル(WPIC)が昨年11月時点では供給過剰に転じるとの見方を示していたものの、 今年3月には4年連続しての供給不足になるとの見方に修正していることも下支え要因 だ。ガソリン価格の上昇や車体価格の値上がりで自動車生産、販売に不透明感が上値圧 迫要因。米国とイランの戦闘終結に向けた交渉次第では原油相場が軟化、米金利引き下 げ期待の再燃がプラチナ相場に追い風となり、浮上する可能性を含めたもちあい継続と 予想される。 <パラジウム> NYパラジウム6月限は4月30日以降、1470〜1570ドルのレンジを中心に してのもちあいが続いている。 独自の要因に乏しいなか、白金の底堅さに追随する動きとなっている。引き続き同値 圏での往来となるか。 MINKABU PRESS
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