ドル円、買い戻し優勢 イラン紛争の長期化への懸念 ベッセント財務長官が来日=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は買い戻しが優勢となり、東京時間早朝の156円台半ばから157円台に買い戻された。依然としてイラン情勢に出口が見えず、長期化するのではとの懸念が再び台頭している。 ただ、一方的に上昇する展開にはなっていない。中東情勢については、市場も成り行きを見守る姿勢を次第に強めており、以前のように積極的にポジションを取りに行く雰囲気にはなっていないようだ。上値での介入警戒感も根強い一方、下値での買い圧力も強く、156、157円台でのレンジ取引に終始している状況に変化はない。 ベッセント財務長官が来日しており、明日、高市首相と片山財務相、植田日銀総裁と協議を行う予定。その内容を見極めたい雰囲気もあったようだ。会談では円相場が議題に上ると見られ、日本の当局が為替介入について米国側に逐一説明していると繰り返し述べていることを踏まえ、ベッセント財務長官の来日に合わせ、財務省が円買い介入を実施する可能性もあり得るとの指摘も出ていた。 日銀が4月利上げの機会を見送り、円を押し上げるために残された手段は介入を繰り返すことのみとなっている。短期的には、ドル円を155円割れへ押し下げられるかがポイント。達成できなければ、ドル強気派にとって押し目買いの水準として定着するリスクがあるという。 日本の当局は連休明けから介入を控えているが、連休中に投じた推定金額が2024年の介入時よりも少ないことから、より多くの介入余地があるとも指摘されていた。 ユーロドルは、1.17ドル台半ばを挟んでの上下動に終始。21日線の上を維持し、3月中旬以降のリバウンド相場を堅持しているものの1.18ドル台には慎重な雰囲気が続いている。一方、ユーロ円は日本の当局による介入観測で上値は重くなっているものの下押しする動きもなく、上昇トレンドは維持している状況。 アナリストは、ECBの6月利上げへの期待がイラン紛争への懸念を背景としたユーロドル下落を抑制していると指摘。原油価格が高止まりする中、ECBは引き続きタカ派姿勢を維持するとの見方を示している。 今週の水曜日のラガルド総裁とレーンECB専務理事の講演が、6月利上げの期待を高める可能性があり注目されるという。ただし、イラン情勢に進展がなければ、今週中にユーロドルが1.18ドルを完全突破するのは難しいとの見方も示した。さらに、明日の米消費者物価指数(CPI)が強い内容となれば、1.17ドルを下回るリスクの方が大きいとも指摘している。 ポンドドルは、イラン情勢を受けて東京時間の早朝に売りが強まり1.35ドル台半ばまで下落していたものの、海外時間にかけて1.36ドル台に買い戻される展開。本日1.3545ドル付近に来ていた21日線を維持し、リバウンド相場は継続。一方、1.36ドル台半ばの水準は上値抵抗となっている模様。ポンド円は21日線の下での推移が続いたものの100日線を維持し、上値トレンドは継続。 先週の英地方選挙で与党・労働党が大敗し、スターマー首相の責任問題が浮上。ただ、首相は続投の意向を示し「政府は国が直面する課題に対応する取り組みを強化する」と述べていた。 しかし、アナリストは「選挙結果は、政治的不透明感と中東の緊張が英国のビジネス環境に重くのしかかっている」と指摘。イラン情勢が当面出口を見い出せないことを前提に、英国内の政治的不透明感を背景にポンドは今後数日間、上値の重い展開も予想されると述べている。短期的にも中期的にも苦戦する可能性があるとの指摘も出ていた。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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