<金> NY金6月限は4700ドル前後での高下が続いている。依然として中東情勢不安が NY金市場の主題となっているが、現時点では米国とイランの和平協議は難航し進展の 様子が見られていない。 2月28日に米国によるイラン攻撃によって開始された米国とイランの戦闘は2カ月 半を超えても終息のめどがつかず、高騰している原油価格の鎮静化の見通しがつかな い。 原油価格の高騰はインフレ高進に対する警戒感をよりいっそう強めている。4月の米 消費者物価指数(CPI)の前年同月比は前月3月の+3.3%を上回る+3.8%に 達した。食料とエネルギーを除いたコアCPIの伸びも前月に記録した+2.6%から +2.8%に上昇するなど、全体的に物価が上昇している様子が示されている。 また、4月生産者物価指数(PPI)の前月比も約4年ぶりの高水準に達したこと で、インフレ高進懸念に加え、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ観測も浮上し ている。 同時に、インフレ高進下にもかかわらず米国では労働者数こそ増加しているものの、 賃金の上昇ペースが緩く物価の上昇に追いついていない状況が見受けられるうえ、米国 内の貯蓄率の低下も伝えられている。 これは物価が上昇するなか賃金の伸びが停滞していることで、貯蓄を取り崩しながら の消費が行われている可能性があることを示しており、今後も原油価格の高騰やその 影響による物価高が続くようであれば日常品以外への消費活動が抑制されることが見込 まれる。 米国では国内総生産(GDP)のおよそ70%を個人消費が占めているだけに、個人 消費の縮小は米経済成長の停滞要因となりかねない。 現時点では金利による差益を生み出さない金にとって、物価高を受けた金利の上昇は 上値抑制要因になっており、NY金6月限は、目先は4700ドル前後でのもちあいが 想定されるが、米経済不安が高まるようであれば、インフレヘッジとしての役割をもち つつ安全資産としても機能する金に対する需要が高まり、価格押し上げ要因になってく る可能性がある。 <銀> NY銀7月限は13日には9010.5ドルと今年3月11日以来の9000セント 台まで値を伸ばしたが、続く14日には反落に転じている。 半導体やAIへの設備投資拡大期待が高まるなか世界的に株式市場ではハイテク関連 株や人工知能(AI)関連株の上昇が続いている。 NY銀7月限は9000セントの節目に達した後に軟化に転じたものの、世界的な半 導体およびAIへの設備投資の拡大が見込まれるだけに産業用としての需要の高まりが 期待され、短期移動平均が通る8515セント前後が下値支持線になっての底堅い動き が見込まれる。 <白金> NY白金7月限は13日の取引ではおよそ2か月振りに2200ドル台に達したが、 続く14日には100ドルを超える大幅反落に転じた。 世界的に半導体や人工知能(AI)関連の設備投資が拡大すると予想され、これを受 けた産業用としての白金需要の増加が見込まれるが、一方ではインフレ高進に対する警 戒感も根強いと見られる。 3月半ば以降の価格レンジを脱しておらずチャート面から上下の抵抗が窺われること もあり、2000ドル前後での往来が想定される。 <パラジウム> NYパラジウム6月限は1500ドル前後でのこう着状態が続いている。独自の材料 に乏しいなか、白金はドルの動きに連動する動きが続いている。 NY白金に連動して上値を抑制される動きとなりそうだ。 MINKABU PRESS
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