ドル円、158円台後半に上昇 今週の米インフレ指標と米利上げ期待の台頭を改めて意識=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル円、158円台後半に上昇 今週の米インフレ指標と米利上げ期待の台頭を改めて意識=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル高が優勢となり、ドル円も158円台後半に上昇した。今月連休中の財務省の介入による下げを完全に戻している。来週はフランスでG7財務相・中央銀行総裁会議が行われるが、それを機に財務省が何らかのアクションと取ってくるか注目される。片山財務相は国債利回りの急騰に関して議論が及ぶと述べていた。

 ただし、ドル円は明確な方向感が出ていないのも事実。上値では介入警戒がある一方、円安の継続期待のほか、イラン情勢の不透明感からの根強いドル高の流れがあり、ドル円の下値は支えられている。

 きょうの市場は全体的に不安定な値動きが広がった。株安・原油高のほか、米国債利回りが欧州や日本と伴に1年ぶりの高水準まで急上昇。米10年債利回りは節目の4.50%を上回り、4.60%付近まで上昇。その動きがドルを下支えしていた。

 米中首脳会談も終了し、イベントがある程度通過した中、今週の予想を上回る米インフレ指標とFRBの利上げ期待の台頭を市場は改めて意識しているとのコメントも聞かれる。短期金融市場では、年末までにFRBが利上げする確率を65%まで織り込み、27年3月までなら、利上げを完全に織り込んでいる状況。

 ユーロドルは1.16ドル台前半まで下落。きょうの下げで200日線を下放れる展開が見られており、来週以降、下値警戒感が高まるか注目される。一方、ユーロド円は184円台前半まで下落していたものの、184円台半ばに戻す展開。

 上値が重くなっているユーロドルだが、米大手証券のストラテジストからは強気な見方も出ている。為替ヘッジコストの低下を背景に2000億ドル超の資金フローが発生し、ユーロドルは約5年ぶり高値圏まで上昇する可能性があると指摘した。

 これまで高い米金利は、欧州投資家がドル建て資産の為替ヘッジを行う上で大きな障害となっていた。投資家はユーロ買い・ドル売りの先渡し取引を行う際、事実上、米金利の利回り優位分を支払う必要があった。しかし、米欧の金利差が縮小方向に向かっており、市場ではECBが年内に複数回の利上げを実施する一方、FRBは据え置きが織り込まれ、これがヘッジ需要を刺激すると分析している。
 その上で、ユーロドルは第3四半期に1.23ドルまで上昇すると予想しており、これは2021年初め以来の水準となる。

 ポンドは売りが目立ち、対ドルのみならず対ユーロでも下げが続いた。ポンドドルは1.33ドル台前半まで下げ幅を拡大し、200日線を下放れる展開となった。一方、ポンド円も一時211円台前半まで下落し、円以上にポンドの下落が目立っていた。

 ポンドドルは4月からのリバウンド相場に一旦終了の兆しも見え始めているが、アナリストからは、さらに下落の可能性もあるとの見方が出ている。英労働党内でスターマー首相降ろしの動きが活発化しており、それに関連した政治不信と財政懸念が背景にあるとしている。

 政治的不確実性は通貨にとってプラスになることはめったにないほか、スターマー首相に代わる候補者がどのような政策を実施するつもりなのかも不透明だと述べている。昨年11月の予算には赤字削減策が含まれていたが、次の首相は異なる考えを持つ可能性もあり、それが財政懸念を再燃させるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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