ドル円、日米財務相の発言で上下動 インフレ懸念が強まる=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は日米の財務相の発言で上下動したものの振幅に留まった。パリで開催されていたG7財務相・中央銀行総裁会議の際、ベッセント財務長官が日本に関し「過剰な為替変動は望ましくない」と述べていたことや、片山財務相が「日本の為替政策の姿勢は理解されたと考えている。断固たる措置をとる時はとる」と述べたことで円高の反応も見られていたが、いずれも一時的な動きに留まっている。 ドル高が優勢の中、ドル円は160円を再度うかがう展開が続いている。トランプ大統領がイランへの攻撃を見送ったことで、一部からは和平合意への期待も出る中、原油相場が上げを一服。しかし、本日も米国債利回りは上昇し、30年債が2007年以来の水準に上昇する中、ドルをサポートしている。先週発表の米インフレ指標でインフレ再加速が確認されており、和平合意に達したとしてもインフレ圧力はしばらく沈静化しないとの見方も出ている。「FRBの次の一手は利上げ」との見方は根強く、短期金融市場では年内の米利上げ確率を65%程度で織り込んでいる状況。 一方、日本の方は、高市政権による補正予算の見通しが、いわゆる「高市トレード」を復活させているとの見方が出ていた。高市首相は、今夏の電気・ガス料金補助の再開を表明するとともに、補正予算の編成を片山財務相に指示。市場では、3-10兆円規模の財政パッケージも想定されており、一部は追加の国債発行で賄われる可能性があるとも見られている。 ユーロドルは下値模索が続き、一時1.15ドル台まで下落し、4月以来の安値水準を更新。100日線と200日線を下放れる展開が見られており、テクニカル的にも下値警戒感が高まっている。日足終値で節目の1.16ドルを完全に下回れば、4月安値1.15ドルちょうど付近への下落余地が開く可能性も高まっている状況。一方、ユーロ円も下落しており、184円台前半まで一時下落。100日線が184.40円付近に来ており、顔合わせしている。 ユーロは軟調な動きが続いているものの、ECBの6月利上げへの期待は高まっており、本日も複数のECB理事からその可能性について言及されている。独連銀のナーゲル総裁は「6月には何らかの措置を講じる必要があるかもしれない」と述べていた。 一部からは、景気への影響を考慮すれば、早計に利上げすべきではないとの意見も出ており、ユーロドルの下げもそれを反映している可能性も指摘されているものの、短期金融市場では90%の確率で6月利上げを織り込んでいる。 ポンドドルは戻り売りが優勢となり、一時1.33ドル台に下落。再び200日線を下回る動きが見られている。一方、ポンド円も小幅に反落し、一時212円台に下落した。 きょうは1-3月の英雇用統計が発表になっていたが、ILO失業率が平均で5.0%に上昇するなど英労働市場の弱さが示された。市場では英中銀の利上げ期待が高まっているが、本日の英雇用統計を受けて、利上げの必要性に対する疑問も高まっており、英中銀の慎重姿勢が強まる可能性が高いと指摘している。 失業率が上昇したほか、雇用者数も急減し、賃金上昇率は鈍化していた。今回の弱さは特に昨年の増税と最低賃金引き上げの影響を最も受けた消費者向けセクターに集中。この圧力は、今後のエネルギーショックによってさらに悪化する可能性が高いとの指摘も出ている。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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