石油週間見通し=合意近いとの報道もトランプ米大統領次第か

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油7月限は18日に105.21ドルまで戻り高値
を更新したものの、その後は大きく崩れて、今回は「新月(17日)天井」となった可
能性が高まっている。既に半値押し(95.67ドル)をほぼ達成しているが、このま
ま押し目底を付けるか否かが目先の焦点となる。下げ止まらない場合は61.8%押し
の93.42ドル、78.6%の90.21ドル辺りが次の下値目標となるとした。

【NY原油はネックラインを維持できるか否か】
 ニューヨーク原油7月限は結局、さらに底割れする展開となり、前述の78.6%押
しでは下げ止まらず、ここまでの安値は28日の87.11ドル。本稿執筆時点の29
日の午後には87ドル台後半で推移している。目先は全値押しに当たる86.13ドル
が次の下値目標となる。これを割り込むと、ややいびつなダブルトップ(103.78
ドル、105.21ドル)のネックラインを下回ることになり、さらにレンジダウンす
る可能性が出て来る。仮に明確に下回った場合は、123.6%押し(81.63ドル
辺り)、80ドルの節目、138.2%押し(78.84ドル辺り)、161.2%押
し(74.34ドル辺り)まで下値余地が拡大することになる。逆に下回らずに反発基
調に転じた場合は、トリプルトップ指向になる可能性が出て来て、再び100ドル台乗
せもあり得る。したがって、目先のチャートの動きが6〜7月にかけての水準を決定す
るような重要なポイントとなる可能性がある。
 日柄的には、31日(取引日ではない)が満月のため、その近辺で底入れすれば、新
月天井→満月底という珍しいパターンになる。

 材料的には、高値から大きく崩れて来た主因は、米国とイランの和平合意に対する期
待だが、直近は60日間の停戦延長と核開発を巡る交渉開始で合意する可能性が報じら
れている。暫定合意したとの報道やそれを否定する報道など、情報が交錯しているが、
トランプ米大統領は合意の覚書署名に関してはまだ慎重な姿勢を見せていると言われて
おり、現状は同大統領の動き次第と言えそうだ。すなわち署名すれば、さらに一段安の
急落。それを拒否すれば、いったんは戻す展開になる可能性がある。その決定が週末に
なれば、週明けは売りも買いもいつも以上に越週玉のリスクが増大しそうだ。
 ともあれ、核開発問題とホルムズ海峡封鎖問題が二大焦点という状況に変化なく、ニ
ュース次第で上下に振幅の大きな動きが続く状況も変わっていない。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は5万ドル台乗せから過去最高値を更
新場面が続く。
 ドルインデックスは99ポイント台を維持して、引き続き高値もみ合いの様相となっ
ている。
【米国、稼働率の上昇で原油・石油製品の在庫が減少】
 米国内に目を移すと、直近の米エネルギー情報局(EIA)の週報では、3油種とも
に在庫が減少していた。
 原油在庫が前週比332万7000バレル減の4億4169万バレル。
 また、石油製品在庫もガソリンが同257万2000バレル減の2億1159万バレ
ル、留出油が同210万7000バレル減の1億0080万バレルとともに減少した。
 各国の米国産原油への代替需要増加もあるが、米製油所稼働率が94.5%まで上昇
するなど、米国内の石油製品需要が旺盛なこともその背景にある。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である10月限は下値模索からやや下げ渋り模様となり、ボリンジ
ャーバンドの−1シグマ(8万2510円辺り)を上値抵抗、8万円割れの−2シグマ
(7万9640円辺り)を下値支持としたもみ合いとなっている。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油7月限も大きく崩れて、直近はボリンジャーバントの—2シグマ
(87.83ドル辺り)を試す展開。

 ブレント原油7月限もチャートの形は似ている。急落後は下降中のボリンジャーバン
ドの−2シグマ(91.42ドル辺り)を試して、その下の90ドルの節目が視野に入
っている。


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