金・銀週間展望=下げ一服、米国とイランが和平合意の可能性

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [6月15日からの1週間の展望]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   週間高低(カッコ内は日)   2027 年  4 月限  6 月 8 日〜 6 月 12 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          23,576    23,645 ( 8)   21,232 (11)     22,010       -1,503
  銀           355.0     355.0 ( 8)    330.0 (11)      330.0        -49.0
 プラチナ       9,532     9,656 ( 8)    8,177 (11)      8,658         -878
 パラジウム     6,500     6,600 (12)    6,300 ( 9)      6,600         -200
======================================
  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        12  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 8) 4,238.8    -126.5   | ドル・円    160.31      0.37 円安
  銀       ( 7) 6,797.4    -112.9   | 日経平均  66,020.04       -568.08
 プラチナ   ( 7) 1,712.2     -85.7   | NY原油 ( 7)  84.88         -5.66
 パラジウム ( 9) 1,291.50    +27.90  |* ドル・円は15時45分現在、原油は 12日
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【前回のレビュー】
 金は米国とイランの和平協議停止もイスラエルとレバノンの停戦合意が下支え、とし
た。
 金は予想以上の米雇用統計や米消費者物価指数(CPI)の伸び加速、中東の紛争を
受けて売り優勢となったが、米大統領がイラン攻撃の中止を発表すると下げ一服となっ
た。現物相場は昨年11月以来の安値4023.90ドルを付けたのち、下げ一服とな
った。金先限は昨年12月以来の安値2万1232円を付けたのち、下げ一服となっ
た。
 イスラエルがレバノンの親イラン武装組織ヒズボラを攻撃したことに対し、イランが
イスラエルをミサイル攻撃したことで武力衝突が激化した。トランプ米大統領の砲撃停
止要求を受けて攻撃は停止したが、イスラエルのネタニヤフ首相は双方との戦いは「ま
だ終わっていない」と述べた。また米軍はイランがヘリコプターを撃墜したことに対し
てホルムズ海峡付近の軍事施設を攻撃した。イランはヨルダンやクウェートの米軍基地
を報復攻撃した。米国は2日連続でイランを攻撃し、カーグ島掌握の方針も示された
が、攻撃は中止され、和平合意の可能性が示された。ただイラン側は合意に関する最終
決定にはまだ至っていないと反論した。
 5月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は17万2000人増加し、事前予
想の8万5000人増を大きく上回った。雇用は3カ月連続で力強く伸びたほか、失業
率は4.3%と3カ月連続で横ばい。5月の米消費者物価指数(CPI)は前年比
4.2%上昇し、2023年4月以来の高い伸びとなった。前月の3.8%上昇から伸
びが加速した。米生産者物価指数(PPI)は同6.5%上昇し、3年半ぶりの大幅な
伸びとなった。CMEのフェドウォッチで、米連邦準備理事会(FRB)の12月の利
上げ確率は42.9%(前週38.2%)となった。16〜17日の米連邦公開市場委
員会(FOMC)では金利据え置きが見込まれている。
【金ETF残高は減少】
 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は11日時点で
1191.62トンとなり、前週末比6.33トン減少した。米国で6.28トン、英
GBSで0.09トン、英ETFSで0.03トン減少、オーストラリアで0.01ト
ン、南アで0.06トン増加した。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測や中東の
紛争を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明
細報告によると、6月2日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは17万
6020枚となり、前週の15万4260枚から拡大した。今回は新規買いが5392
枚、買い戻しが1万6368枚入り、2万1760枚買い越し幅を拡大した。
 米半導体大手ブロードコムが発表した第2四半期決算は、売上高が前年同期比約4
7%増の221億9000万ドルとなったが、市場予想の222億7000万ドルを下
回った。また人工知能(AI)半導体の売上高は同143%増の108億ドルなった
が、第3四半期のAI半導体売上高見通しは160億ドルと市場予想の163億
6000万ドルに届かなかった。AI投資ブームで半導体株の楽観見通しが強いが、ブ
ロードコム決算を嫌気してナスダックが急落する場面も見られた。今年の世界のデータ
センター総設置電力が前年比26%増の155GWになると予想されたが、電力不足な
どでデータセンターの建設が延期または中止されている。半導体株が調整局面を迎える
と、金の換金売りにつながる可能性もあり、AI投資の行方も確認したい。
【銀は金急落につれ安】
 銀の現物相場は金急落を受けて売り優勢となり、3月23日以来の安値61.62ド
ルを付けたのち、米国のイラン攻撃中止を受けて下げ一服となった。米国とイランの和
平合意の可能性が示されており、協議の行方を確認したい。
 11日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比15.47ト
ン減の1万5003.80トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の
建玉明細報告によると、6月2日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは2万
3926枚となり、前週の2万2223枚から拡大した。
当面の予定(イベント・経済統計)
15日 金融政策決定会合(日本銀行、16日まで)
    ユーロ圏鉱工業生産 2026年4月(EUROSTAT)
    ユーロ圏貿易収支 2026年4月(EUROSTAT)
    米製造業景況指数 2026年6月(ニューヨーク連銀)
    米鉱工業生産・設備稼働率 2026年5月(FRB)
16日 ●南ア(青年の日)
    キャッシュレートターゲット公表(オーストラリア準備銀行)
    金融市場調節方針公表(日本銀行)
    中国住宅価格指数 2026年5月(国家統計局)
    中国小売売上高 2026年5月(国家統計局)
    中国鉱工業生産 2026年5月(国家統計局)
    独鉱工業生産 2026年5月(国家統計局)
    米住宅着工・許可件数 2026年5月(商務省)
    米輸出入物価指数 2026年5月(労働省)
    米連邦公開市場委員会(FRB、17日まで)
17日 機械受注 2026年4月(内閣府)
    貿易収支 2026年5月速報(財務省)
    英消費者物価指数 2026年5月(国立統計局)
    ユーロ圏消費者物価指数 2026年5月確報(EUROSTAT)
    米小売売上高 2026年5月(商務省)
    米企業在庫 2026年4月(商務省)
    米中古住宅販売仮契約指数 2026年5月(全米不動産協会)
    米FOMC声明文公表(FRB)
18日 政策金利公表(スイス国立銀行)
    ユーロ圏国際収支 2026年4月(ECB)
    英雇用統計 2026年5月(国立統計局)
    英中銀(BOE)政策金利公表
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米製造業景況指数 2026年6月(フィラデルフィア連銀)
    対米証券投資 2026年4月(財務省)
19日 ●中国、香港(端午節)、米国(奴隷解放記念日)
    消費者物価指数 2026年5月(総務省)
    金融政策決定会合議事要旨公表 4月27-28日分(日本銀行)
    英小売売上高 2026年5月(国立統計局)
    独生産者物価指数 2026年5月(連邦統計庁)
MINKABU PRESS 東海林勇行
※投資や売買については御自身の判断でお願いします。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。