【前週のレビュー】ニューヨーク原油7月限は97.00ドルが戻り高値となり、そ の後は再び崩れた。さらに崩れた場合、ややいびつなダブルトップ(103.78ド ル、105.21ドル)のネックラインを明確に下回ることになり、123.6%押し (81.63ドル辺り)、80ドルの節目、138.2%押し(78.84ドル辺 り)、161.2%押し(74.34ドル辺り)まで下値余地が拡大する。いずれにせ よ、陰の極(セリング・クライマックス)はまだ来ていないと見ておきたいとした。 【NY原油は陰の極を付けたか】 ニューヨーク原油7月限は22日に納会するため、8月限が指標限月となるが、その 8月限で見ると、チャートは三尊天井(4月30日の96.95ドル、5月18日の 100.10ドル、6月3日の93.42ドル)のネックライン(83〜84ドル台の エリア)を下抜けたことで、下げ足を加速している状況。直近の安値は18日に付けた 72.83ドルと、昨年12月16日の安値55.40ドルから前述の100.10ド ルまでの上げ幅の61.8%押しである72.48ドルに近い水準まで下落した後に戻 して、本稿執筆時の19日午後には75ドル台まで急反発している。日足はかなり長い 下ひげを付けて、陰の極を付けた可能性が出て来た。いったんは戻り歩調となってもお かしくない形となってきた。 材料的には、このところの下げ相場を主導してきた米国とイランの停戦合意に関し て、17日にトランプ米大統領とイランのペゼシュキアン大統領が覚書(MOU)に署 名し戦闘終結が正式に発効した。その後、中東に駐留する米国中央軍はイランの港湾へ の海上封鎖を全面的に解除したと発表した。一方、イランがホルムズ海峡について60 日間、通航料なしの安全な航行を確保することなどがMOUに盛り込まれているが、 60日後以降は不透明となっており、米国側が譲歩したという批判も挙がっている。 それ以上に懸念されるのは、イスラエル軍がレバノン南部から撤退せず、米国とイラ ンの署名後もレバノン攻撃を実行していること。火種は残ったままと言える。 原油相場面から今後最も注目されるのは、石油タンカーのホルムズ海峡の通過量の回 復具合となりそうだが、民間データによると、現在、ペルシャ湾に31隻の大型タンカ ー(積載可能量合計で6200万バレル)が滞船しており、これから漸次ホルムズ海峡 を通過することになりそうだ。 米大手金融機関、ゴールドマンサックスの見通しでは、7月末までに海上輸送が回復 して、10月までには湾岸産油国の生産が回復する見込みだが、ホルムズ海峡の輸送量 は戦前の7割程度までしか回復しない見込みという。域内産油国の輸送の代替ルート (紅海のヤンブー、トルコのジェイハン、ホルムズ海峡の外側のフジャイラ経由など) が確立しているためだ。戦前のホルムズ海峡通過量は原油と石油製品含め日量2000 万バレルだった。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はさらに過去最高値を更新する場面も あり、相変わらず高値圏で波乱含みの展開。 ドルインデックスはさらに一段高。再び100ポイント台乗せから101ポイントを 試す展開となっている。 【米国内の原油の需給にタイト感、在庫急減=EIA週報】 米国内に目を移すと、米国内の原油の需給にタイト感が増している。直近の米エネル ギー情報局(EIA)の週報では、原油在庫が急減していたことが目立った。ただ、ガ ソリン在庫は減少していたが、留出油在庫は増加していた。 原油在庫が前週比826万3000バレル減の4億1822万バレル。 石油製品在庫は、ガソリンが同90万6000バレル減の2億1424万バレル、留 出油が同95万1000バレル増の1億0305万バレルとなった。 戦略石油備蓄(SPR)を含めた原油と石油製品在庫は1681万7000バレル減 の15億4311万3000バレル。トランプ米大統領が「我々は備蓄を約4週間で使 い果たす」と発言した。なお、ニューヨーク原油の受け渡し地であるオクラホマ州のク ッシング在庫が前週比160万6000バレル減の2003万4000バレルと、 2000万バレル台割れも視野に入っている。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である11月限はこのとこ下降中のボリンジャーバンドの−2シグ マ(7万2210円辺り)を割り込みながら安値更新を続けていたが、19日久しぶり に陽線を付けて、−2シグマを上回って引けた。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油8月限は83〜84ドル台のネックラインを下回ると下げ足を加速 させる展開で、下降中のボリンジャーバンドの−2シグマ(94.10ドル辺り)を割 り込んで安値を更新している。 ブレント原油8月限もほぼ同様の展開。支持線だった90ドルの節目を割り込むと下 げ足を加速せた。一気に80ドルの節目も割り込んだ。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。