【前週のレビュー】ニューヨーク原油8月限は25日に68.90ドルまで崩れたが、 引けは71.92ドルまで戻して、日足は長大陽線を付けた。チャート的には70ドル 台割れに下値抵抗を見ており、このまま戻すのか否かが目先の焦点となるとした。 【NY原油は65ドルの節目まで下値余地が拡大か】 ニューヨーク原油8月限は70ドルの節目を挟んだもみ合いから再び底割れとなって きた。2日には67.04ドルまで直近の安値を更新した。 前回の当欄でも記したが、再び底割れしたため、次の下値目標は、昨年12月16日 の55.40ドルから5月18日の100.10ドルまでの上げ幅の78.6%押しに 当たる64.97ドル、つまり65ドルの節目辺りとなる。日柄的には新月となる14 日ごろまで弱基調が続くことも考えられるが、8日の下弦辺りも転換点となる可能性も 考えておきたい。 材料的には、米国とイランの60日の停戦合意(両国ともに既に攻撃し合っているこ とで実際にはこの合意は既に破られているとの見方も可能だが)以降、ホルムズ海峡の 石油タンカーの通過増加からペルシャ湾岸の産油国の供給がどこまで回復するのかが焦 点となっている。ブルームバーグ通信によると、サウジアラビアは2日、ペルシャ湾内 の積み出し拠点であるラスタヌラから4カーゴ、原油800万バレルを出荷した。これ は米国のイラン攻撃以降で最大規模の出荷となる。 また、同じブルームバーグ通信が米国関係者談として伝えたところでは、現在ホルム ズ海峡を通過する原油輸送量は日量1000万バレル超に達しているという。 一方、イラン産原油は全世界で5800万バレルが海上停留しており、90%以上は 仕向け地不明とされている。停戦合意以降、米国はイラン産原油の60日間の販売を認 めているが、制裁を警戒した他国が同国産原油を買い手控えている。肝心の中国では独 立系の製油所の稼働率が9年ぶり低水準まで落ち込んでおり、積極的にイラン産原油を 買う動きは見られない。これはイランの外貨獲得が困難になることを意味するため、米 国との今後の交渉で米国が有利になるとの見方も出ている。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はさらに過去最高値を更新した。5万 2000ドルの節目を大幅に上回り、5万3000ドルの節目も視野に入って来た。 ドルインデックスは高値から軟化する展開。直近は101ポイント台を再び下回り、 100.70ポイント台で推移。 【米国内の原油需給タイト傾向続く】 米国内に目を移すと、米国内の原油の需給には引き続きタイト感があるため、下支え 要因となる可能性がある。直近の米エネルギー情報局(EIA)の週報では、原油在庫 がさらに急減していた。また、ガソリン在庫は需要期に入っているため、さらに減少し ていたが、留出油在庫はこれから積み増し時期に入って行くため増加していた。 原油在庫は前週比377万5000バレル減の4億0836万バレル。ホルムズ海峡 通過の原油の供給回復の影響が数字に表れるにはまだタイムラグがありそうだ。 石油製品在庫は、ガソリンが同233万3000バレル減の2億1397万バレル、 留出油が同248万3000バレル増の1億0860万バレルとなった。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である12月限は下降中のボリンジャーバンドの−1シグマ(6万 9090円辺り)を挟んだ安値更新となっているが、3日は安値から戻して日足は下ひ げ陽線を付けた。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油8月限は下降中のボリンジャーバンドの−1シグマ(70.30ド ル辺り)を上値抵抗として、70ドルの節目を挟んだもみ合いとなっていたが、7月に 入り再び直近の安値を更新して、2日には67.04ドルの安値を付けた。 ブレント原油9月限も下降中のボリンジャーバンドの−1シグマ(73.58ドル辺 り)を上値抵抗として、直近安値を更新して、2日には70.14ドルの安値を付け た。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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