貴金属4品週間見通し=金は根強い年内利上げ観測に上値を抑制される

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<金>
 NY金8月限は6月30日に3955.4ドルと昨年9月末以来の低水準まで値を落
とした。7月に入ると次第に値位置を切り上げて2日には4135.50ドルで取引を
終えるなど、終値ベースでの4100ドル台を回復している。
 6月の米公開市場委員会(FOMC)終了時点では、ウォーシュ連邦準備理事会(F
RB)議長が物価安定に強い姿勢を見せたうえ、ドットチャートでは26年末の政策金
利の見通しは前回の+3.4%から+ 3.8%に大幅に引き上げられたことを受け
て、年内利上げ観測が強まった。
 利上げは金利による差益を産まないとされる金にとって上値抑制要因になるうえ、利
上げ観測を受けてドル買いの動きが強まったことで、国際市場ではドル建てで取引され
る金離れの動きが強まった。
 ただ、7月に入ってから発表されたADP雇用統計ならびに米労働省発表の雇用統計
が共に事前予想を下回る弱気な内容だったことで利上げ観測は後退している。
 CMEのFedwatchは、7月1日時点で63.9%となっていた9月時点
での利上げを予測する比率は53.2%、12月時点の利上げを予想する比率は7月1
日時点の84.6%から76.5%に低下している。
 米国とイランの戦闘終結に向けた協議が進展していると見られるなか、ホルムズ海峡
の開放とこれによる原油供給の正常化に対する期待が強い。これを受けてNY原油は米
国とイランの戦闘が開始された2月28日以前の水準となる70ドル以下まで下落して
いるため、中東不安が再び高まることが無ければ、インフレ率は低下していくことが見
込まれる。
 今後の米経済指標の内容次第という側面は残るものの、米利上げ観測にも一服感が強
まっている。また、利上げ観測の後退がドル売り傾向を強めていることが金市場の買い
支援要因となっている。NY金8月限は中東情勢不安を織り込んでいるうえ、利上げ観
測は後退しているとはいえ、年内の利上げを見通しは依然として根強いだけに本格的な
上昇基調への転換は予想し難く、4100ドル前後での値固め場面になると予想する。
<銀>
 NY銀9月限は6月26日に5613セントまで値を落とした後に切り返し、7月2
日に6258セントと6月24日以来の高値まで上昇した。
 6月の米雇用統計を受けて利上げ観測が後退しドル買いの動きに一服感が強まってい
ることが買い支援要因ながら、6000セント台に値を戻したことで目先の上げ一巡の
可能性も高い。6000セント前後でのもちあいにシフトするのではないか。
<白金>
 NY白金10月限は1600ドル前後での低迷が続いている。このなかで、7月1日
には1539.6ドルの安値を付けたところで買い戻され、続く2日には終値ベースで
1630ドル台を記録している。
 予想以下の米雇用や米国とイランの戦闘終結に迎えた協議の進展が見込まれるなかで
のホルムズ海峡の航行正常回復観測が原油の重石となっており、利上げ観測が後退して
いることは買い支援材料ながら、白金独自の需給要因には織り込み感が強い。6月24
日の1674.6ドルが目先の上値抵抗線として意識されるなかでの安値圏での値固め
が見込まれる。
<パラジウム>
 NYパラジウム9月限は1250セントを上値抵抗線として意識するなかでの低迷が
続いていたが、2日にはこれを一気に上抜き1282.50セントを記録したうえ、終
値ベースでも1270セント台を記録している。
 米利上げ観測の後退やこれを受けた他貴金属高を映した買いから浮上しているが、他
貴金属の頭重い動きが予想されるだけに、1300ドルに近づくと上値が重くなりそう
だ。
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