貴金属4品週間見通し=NY金は米年内利上げ観測に上値を抑制され低迷続く

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<金>
 NY金8月限は6月30日に3955.4ドルと昨年9月末以来の安値まで値を落と
した後に買い戻されているが、4100ドル台後半〜4200台前半では売りが待ち構
え、頭重い動きが続いている。
 米国とイランの停戦協議については、戦闘の応酬が見られたことで中東情勢不安が強
まったものの、その後、米中央軍がイランへの攻撃を完了した、と伝えたことで中東情
勢不安が後退している。
 今後、最終的な戦闘終結に向けての協議が続けられると見られるが、その過程におい
て時おり戦闘を交える場面が見られながらも均衡を保つ状況が続くと予想される。原油
価格は今回の戦闘の応酬を受けて浮上したが、ニューヨーク原油期近8月限は80ドル
台に達することなく売り返されており、不安定な状況が続くなかで最終的な戦闘終結に
むけた協議が進められる状況が続く、との見方は市場に織り込まれたと見られる。
 原油価格が大幅な上昇に転じる可能性が後退していることで米国のインフレ高進見通
しも和らぐことが見込まれるが、インフレ高進下でも米国の小売売上高は堅調を維持し
たため、原油価格の下落によって米経済の3分の2を占める個人消費が刺激される可能
性がある。
 一方で、6月の米雇用は軟化に転じており雇用情勢の悪化が警戒される。また、ドル
買い傾向に一巡感が強まっているうえ、米中古住宅販売戸数も予想外の減少に転じるな
ど、米経済指標に弱気な内容のものも見受けられている。
 これらの弱気な経済指標は米利上げ観測を後退させる根拠となるだけに金市場にとっ
て買い支援要因となるが、一方で米連邦準備理事会(FRB)による年内利上げは既に
市場に織り込まれた感がある。
 今後も米雇用及び個人消費がどのように推移するか注視する必要があり、弱気な経済
指標の発表が続いて利上げ観測が後退すれば価格浮上の可能性が高まるだろう。それま
では、NY金は強弱材料に挟まれるなかでの4200ドルを上値抵抗線としたもちあい
が続くと予想される。
<銀>
 NY銀9月限は6000セントを前後する動きが続いている。米株式市場ではハイテ
ク関連株の頭重い動きが見られている。NY銀の中心限月は5月半ばに9000セント
前後まで値を伸ばした後に値位置を落とし、7500セント前後でもちあったが、その
後、さらに値を落とし、一時6000セント割れとなった。
 この動きは産業用としての銀需要の拡大期待に伴う買いが一巡した可能性を示唆する
ものであり、現在の価格水準から再び上昇に向かうための手掛かりには乏しい状況にあ
る。
 材料織り込み感が強まるなかでのもちあいが想定される。
<白金>
 NY白金10月限は6月末に1550ドル台まで値を落とした後に買い戻されたが、
1600ドル台後半に達すると売り直される頭の重さを窺わせる動きとなっている。
 産業用としての需要増加の可能性は既に織り込まれるなか、新規材料の手掛かりに乏
しい状況が続いている。
 他貴金属と同様、米国での年内利上げ観測が重石となるなか1600ドル前後でもち
あうと見られる。なお、米経済指標に弱気な内容が続き、利上げ観測が後退するようで
あれば地合いが引き締まる可能性も高まりそうだ。
<パラジウム>
 パラジウム9月限は7月上旬に1250ドル前後まで値を切り上げた後に軟化に転じ
たが、1200ドル割れには抵抗を見せている。
 米国での年内利上げ観測が重石となっていることで上値の重い動きが見込まれるが、
米経済指標に弱気な内容が続き利上げ観測が後退するようであれば再び1200ドル台
後半を目指すと見られる。
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