石油週間見通し=半値戻しを上抜けるか否か、紅海代替ルートの封鎖懸念も

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油8月限は67.04ドルの安値を割り込まずに急
反発。8日に76.08ドルの戻り高値を付けた後、9日には71.42ドルの安値ま
で急反落した。差し当たり70ドルの節目維持が焦点となりそうだが、それを割り込ん
でダブルボトム指向となれば、2日の安値67.04ドルが下値目標となるとした。

【NY原油は半値戻しに届かず、80ドル台で上値重い展開】
 ニューヨーク原油は結局、さらに戻り高値を更新する展開となった。8月限は21日
に納会するため、9月限が指標限月となるが、その9月限で見ると、ここまでの戻り高
値は14日に付けた80.54ドル。このところ3営業日連続で80ドル台に乗せてい
るが、現状では80ドル台で上値の重さが感じられる値動きとなっている。
 チャートを見ると、5月18日に付けた9月限の年初来の高値95.30ドルから7
月2日に付けた直近安値の67.12ドルまでの下げ幅の半値戻しに当たる81.21
ドルには到達しておらず、目先はそれを抜けるのかこのまま跳ね返されるのかが注目さ
れる。81.21ドルを上抜けた場合は61.8%戻しの84.54ドル、78.6%
戻しの89.27ドル辺りが目先の上値目標となる。

 材料的には、ここまで米国のイラン空爆が6日連続となるなか、ホルムズ海峡の船舶
通過を巡って米国とイランの主導権争いが続き、再び供給懸念が浮上している。米国は
15日からイラン海上封鎖を再度実施している(トランプ米大統領はホルムズ通過船に
貨物の20%相当額を要求するという方針を打ち出したがすぐに撤回)。米海兵隊が原
油タンカーを臨検したことも報じられた。一方、イランの革命防衛隊(IRGC)も米
国と軍事的なつながりが強いクウェートやバーレーン、ヨルダンを攻撃していることが
報じられている。
 国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は16日、米国のシンクタンク、外
交問題評議会のイベントに参加したワシントンで、米国とイランがホルムズ海峡経由の
原油の供給量を速やかに増加させなければ、世界のエネルギー安全保障が脅かされると
の懸念を示した。
 トランプ米大統領はイラン攻撃の再拡大の方針を示しており、イランの電力インフラ
に対する攻撃の可能性を示しているが、一方、イランは対抗策として、イエメンの武装
組織フーシ派を使って、紅海の入り口であるバブ・エル・マンデブ海峡を封鎖すること
を画策していると報じられている。
 サウジアラビアとフーシ派はここに来て、2022年以来最も緊迫化する場面を迎え
ている。サウジがフーシ派支配のイエメンの首都サヌアの空港を空爆し、これに対して
フーシ派がサウジアラビア南部の空港を攻撃した。
 現在、供給面でホルムズ海峡以外で最も懸念されるのは、中東産石油輸送のホルムズ
海峡通過以外の代替ルートとして最大である紅海側のサウジの石油積み出し港、ヤンブ
ー港(輸送能力は日量700万バレル)からの供給ストップである。アラブ首長国連邦
(UAE)のフジャイラ港も重要な代替ルートだが、輸送能力は日量最大180万バレ
ル程度である。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は引き続き過去最高値圏である5万
2000ドル台でのもみ合いで推移している。
 ドルインデックスは高値圏から軟化して、101ポイント台を下回ったが、100ポ
イント台後半のもみ合いとなっている。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である12月限は上昇後、直近はボリンジャーバンドの2シグマ
(7万7950円辺り)を挟んだもみ合いとなっている。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油9月限は上昇後、80ドルの節目やそれに近いボリンジャーバンド
の2シグマ(79.63ドル辺り)を跨いで上値づかえの様相となっている。
 ブレント原油9月限もほぼ同様の値動き。上昇後はボリンジャーバンドの2シグマ
(85.52ドル辺り)を挟んで上値づかえの展開。


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