<金> NY金12月限は5日に急伸した後も騰勢を維持して6月18日以来となる4400 ドル台に到達。その後も堅調な動きが続き13日に4509.1ドルと6月5日以来の 高値を更新した。13日は反落したが4400ドル台を維持し、下値は堅かった。 ホルムズ海峡の通常航行再開を巡る話し合いについてはイランとオマーンの間で協議 が進められる一方、米国とイラン間に関してはイラン側が米国との直接交渉を否定して いるうえ、米国に対して戦闘に対する損害賠償、周辺地域からの撤退、資産凍結の 解 除などを含めた戦闘停止に向けた覚書の内容を履行するよう強く求めている。 そのため、米国とイランとの間で今後、交渉が順調に進行するとは予想し難い状況が 続き、これがNY原油の再浮上を促している。原油価格の再浮上の一方で米雇用情勢に 軟化傾向が見られていることで、米国の利上げ観測は後退している。 今月4日発表の6月雇用動態調査(JOLT S)求人件数は735万9000件で 前月から17万8000件減少したうえ、事前予想の750万件も下回った。 また、7月の非農業部門雇用者数も前月の2万人増を上回る8万人増という事前予想 に反し2万3000人の減少に転じた。さらに懸念されるのが、賃金の上昇率(前月 比)が前回および事前予想の+0.3%を下回る+0.1%の伸びにとどまった点だ。 米国では消費者物価指数(CPI)の前年同月比が4%を超える局面でも、好調な 雇用や順調な賃金上昇率に支えられ、個人消費は増加傾向を保っていた。 12日に発表された7月CPIの前年同月比は+3.4%で事前予想に一致したが、 前月を0.1%下回ったことでインフレ高進観測が後退。13日に発表された7月の米 卸売物価指数(PPI)が事前予想を下回ったことで、インフレ高進の懸念が後退する と同時に、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ観測も後退している。 NY金は6月24日から8月4日間、1カ月余にかけて4200ドルを下回る水準で 低迷し、この時期に米利上げ観測を織り込んだ。そのため、ここにきて利上げ観測が後 退したことは、金市場にとっての買い支援要因になる。 しかし、米国のインフレ高進の可能性は完全に消滅したわけではない。米国のインフ レ高進はNY原油の高騰に加え、トランプ米政権の関税政策、世界的な人工知能(A I)需要の増加を受けた電子機器類の価格上昇、など複数の要因が絡み合っている。ま た、中東情勢の見通し不透明感から原油価格が高止まりする可能性が残されている。 このような強弱材料に挟まれていることでNY金の上値も限られると見られる。当面 は8月に入ってからの上伸に対する修正安か。7月29日の安値4509.1ドルから 13日の高値4509.1ドルまでの上げ幅455.2ドルに対する3分の1押しにあ たる4358.1ドル水準が押し目底になると予想したい。 <銀> NY銀9月限は8月5日から10日にかけて浮上した後は6500セントを前後する もちあいにシフトしている。 金と同様に米国の利上げ観測は買い支援要因となりながらも、一方では世界的に旺盛 な人工知能(AI)需要を受けた産業用としての需要増加見通しには織り込み感が強 い。 金との相関性が強く、金の動きに左右されうが、10日の安値6319.5セントが 支持線になるとみる。 <白金> NY白金10月限は1730ドル〜1800ドルのレンジを中心にしてのもちあいが 続いていたが、13日に値位置を落とした後は1700ドル付近まで軟化する場面も見 見られている。 半導体関連の産業用としての需要の増加期待は既に織り込み感が強い。米利上げ観測 の後退が下支え要因になると見られるものの、再び1800ドル越えに向かうには買い 支援要因が乏しい。 米利上げ観測の後退に伴う買いも一巡感が強いため、1700ドルを下値支持線にし てのもちあいとなりそうだ。 <パラジウム> パラジウム9月限は8月4日に急伸。その後も底固い動きを保ち1400ドル台に 何度か到達する場面を見せたが、13日には急落に転じたうえ、14日には1300 ドル付近まで値を落としている。 米利上げ観測の後退が支援要因ながら独自の手掛かりに乏しいこともあり、1300 ドルを下値支持線にしての頭重い動きになるのではないか。 MINKABU PRESS
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