石油週間見通し=再び戻り基調、報道に一喜一憂は変わらず

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油10月限は直近の戻り高値は87.69ドルと、
7月23日の高値88.07ドルに迫った。目先の上値目標は全値戻しの88.07ド
ル、90ドルの節目、一代高値の91.27ドルなどになるが、材料次第では十分に到
達可能だろうとした。

【NY原油10月限は再び戻り基調】
 ニューヨーク原油10月限は結局、さらに上昇することはなく、7月23日の高値
88.07ドルと、20日の高値87.69ドルをダブルトップとして崩れたが、直近
の安値は26日の79.62ドルとなり、27日に84.27ドルまで戻した。本稿執
筆時の28日午後は83ドル台前半で推移している。結果的には80ドル台割れの下値
の堅さを確認して戻している形で、前述のダブルトップを今後試すのかどうかが注目さ
れる。

 材料的には、24日の米国のイランに対する経済制裁の強化案は結果的に支援材料と
はならず、その後の下落局面では。ロシアのRIAノーボスチが、パキスタン軍消息筋
とイランの安全保障消息筋の話として、「米国とイランが停戦合意に達した。数日後に
発表される」と報道したことが弱気された。
 しかし、その後米国の報道サイト、アクシオスが「イランと進行中または予定されて
いる交渉はない」としたことや、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が、
トランプ政権が6月にイランと合意したイスラマバード覚書の内容に戻るつもりはない
と仲介国に繰り返し伝えていると報じたことで、再び戻り局面となっている。

 今月末で米国とイスラエルがイラン攻撃してから半年が経過することになるが、米国
は軍事攻撃という力ではイランから譲歩を引き出せないと考えて、経済制裁路線に方針
を転換しているように見える。実際にルビオ国務長官は同盟国に対し、「当面」新たな
攻撃に踏み切る可能性は低いと伝えている。
 また今秋の米中間選挙に向けて、これ以上戦争を長引かせるのは共和党へのイメージ
ダウンとの見方が浮上しやすい。事実、トランプ米大統領の支持率は33%まで低下し
ているとの世論調査もある。加えて、ガソリン価格の高止まりもトランプ政権の頭痛の
種となっており、原油価格を落ち着かせるためにも当面イラン攻撃の可能性は低くなっ
たとみておきたい。
 目先は、8月31日〜9月1日に米ノースキャロライナ州で実施される予定の20カ
国地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、対イラン経済制裁も議題に上るとされ
ているため、それに注目したい。
 もうひとつの注目材料であるホルムズ海峡の通過船舶数も相変わらず低水準が続いて
いる。調査会社、ケプラーによると、28日は7隻にとどまり、過去10日間平均も
15隻と引き続き極めて少ない。
 ただ、イランとの協議を続けて来たオマーンのバドル外相が25日にXに投稿して、
ホルムズ海峡の通航について、「暫定的な航路の設置や安全な通航を回復するための措
置を近く発表できる」としており、通航の正常化が期待されている。
 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は8月に入っての過去最高値更新後の
反落も直近は下げ止まり模様となり、5万3000ドル台で推移。
 ドルインデックスは8月下旬はジリ高基調が鮮明で。99ポイント台前半まで戻して
いる。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である1月限は26日に大陰線を引いたが、21日移動平均線でも
あるボリンジャーバンドの中心線(7万3960円辺り)に下値を支持される形で、直
近は1シグマ(7万6640円辺り)との間のもみ合いとなっている。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油10月限は7月23日の高値88.07ドル、20日の高値
87.69ドルをダブルトップとした反落したものの、ボリンジャーバンドの中心線
(81.35ドル辺り)や80ドルの節目に支持される形で直近は再び戻している。
 ブレント原油11月限も似たような値動きとなり、21日の92.98ドルからの下
落もボリンジャーバンドの中心線(85.94ドル辺り)や85ドルの節目に支持され
る形で直近は再び戻している。


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