<金> NY金12月限は8月19日から25日にかけて浮上し4755ドルと今年5月15 日以来の高値に達した。その後は反落に転じているものの4600ドルに近づくと買い 戻されるなど、下落に対する抵抗の強さも窺わせている。 今回は米財務省による米長期債買い入れ規模の倍増発表が急伸の背景となった。米 30年国債の利回りは今年6月末以降は上昇傾向が強め7月上旬には5%台を記録。そ の後も引き続き上昇し、8月18日に2007年以来の高水準となる5.337%台に 達した。翌日19日の米財務省の長期債買い入れ規模倍増発表を受けてやや低下しなが らも5.1%前後の高水準を維持している。 米長期債の利回り上昇は、高齢者に対する医療保障などの増加、トランプ米政権によ る大型減税を受けた米財政悪化、米国とイランの戦闘を受けた原油価格の上昇や世界的 な人工知能(AI)需要増の影響を受けた電子機器類の価格上昇を背景とするインフレ 高進が背景となっている。 加えて、AI関連企業が社債を発行して設備投資のための資金を確保する動きが広が ったことで米国債と企業の社債が競合する形となっていることも、利回り上昇を促す一 因になっている。 利回りの上昇を促すほどの米財政悪化に対する警戒感は安全な資産としての金需要を 促す一因になるが、その一方で米債券には今後も利回り上昇圧力がかかってくる可能性 があることが金市場の上値抑制要因になっている。 また、8月下旬を迎えてコーン・大豆・小麦などの小麦価格の急騰が今後のインフレ 高進を促す要因になり得ることも、金市場にとっては重石になってくると見られる。 米7月の個人消費支出(PCE)の前年比は+3.7%で前月から横ばいとなった が、米連邦準備理事会(FRB)が目標とする+2%を依然として大きく上回っていた こともインフレ懸念を強める根拠となっている。 高止まりするインフレに緩和の兆しが見られる、もしくは米長期債の利回り低下の動 きが見られない限り上値は抑制されそう。逃避買い需要に支えられるなかで4600ド ル台でのもちあいへとシフトするのではないか。 <銀> NY銀12月限は7000セント前後でのもちあいとなっている。エヌビディアの今 年5〜7月期決算は事前予想を上回る強気な内容となり、人工知能(AI)需要の底堅 さが改めて示された。これは銀市場にとって買い支援要因になるが、一方では米債券の 利回り上昇圧力が引き続き見られる可能性や、これを受けた金の頭重い動きが上値抑制 要因になってくると見られる。 強弱材料に挟まれてもちあい継続が見込まれる。 <白金> NY白金10月限は金に連動高となって今月21日に1921.4ドルまで値を伸ば した後は反落となったが、1820ドル台に達すると買い戻される底堅さを見せてい る。 エヌビディアの今年5〜7月期決算で売上高が2倍超に増加するなど、世界的な人工 知能(AI)需要の旺盛さが示されたことが下支え要因になる一方、米長期債の利回り 上昇を受けてNY金の上値が抑制される可能性は白金市場においても重石になってくる と見られる。 1820ドル前後を下値支持線として意識するなかでの高下が想定される。 <パラジウム> NYパラジウム12月限は1350ドル前後でのもちあいが続いている。他貴金属が 強弱材料に挟まれての高下になると予想されるため、現在の価格水準での往来継続が見 込まれる。 MINKABU PRESS
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