【前週のレビュー】ニューヨーク原油10月限は7月23日の高値88.07ドルと、 20日の高値87.69ドルをダブルトップとして崩れたが、結果的には80ドル台割 れの下値の堅さを確認して戻している形で、これらのダブルトップを今後試すのかどう かが注目されるとした。 【NY原油10月限は戻り高値更新】 ニューヨーク原油10月限は結局、88ドル近辺のダブルトップラインはあっさりと 上抜けて、3日には93.14ドルまで一代高値を更新した。ただ、その日のうちに高 値からは大きく崩れて引けは91.30ドル。本稿執筆時の4日午後には91ドル台後 半〜92ドル台前半で推移している。 チャート上は目先の天井の水準が焦点となる。上値目標としては、7月23日の高値 88.07ドルから8月6日までの安値73.10ドルまでの下げ幅の1.618倍戻 しの97.30ドル辺りとなるが、やや遠いため1.382倍戻しの93.79ドル 辺り、95ドルの節目にも注意しておきたい。 材料的には、米国とイランの攻撃の再開が上昇の主因だが、直近はイランがクウェー トのアハマド・アル=ジャベル空軍基地や、アラブ首長国連邦(UAE)のアル・ミン ハド空軍基地など米軍の拠点をドローンやミサイルによって攻撃したことが報じられて いるが、現時点までに米軍が応戦したという報道はない。 ロイター通信が米政府関係者の話として伝えたところによると、トランプ米政権はこ れ以上のイランとの戦闘激化は11月の中間選挙で共和党に逆風になることを気にして いるということで、それが最近の対イラン経済制裁の強化にもつながっている。 したがって、11月3日の米中間選挙までの2カ月間、米国とイランの軍事行動はい ったん小康状態を迎える可能性もあるが、それはイランの出方次第の部分も大きく、ま た短略的な思考で行動するトランプ米大統領の性格も考えると、双方とも攻撃激化させ る可能性をいつでも孕んでいるとみた方が良さそうだ。イスラエルという火種になりそ うな厄介な国もある。 また、バンス米副大統領は3日、イランが商船攻撃を続けている限り、協議に応じな いという姿勢を見せており、急転直下の和平合意なども考えにくい状況となってきた。 もうひとつの注目材料であるホルムズ海峡の船舶航行だが、ライト米エネルギー相は 2日に米CNBCのインタビューで31日の同海峡を通過した船舶の原油積載量が 1700万バレルを超えると述べて、米CNNも当局者の話として、1日に同海峡を通 過した船舶が40隻、原油積載量が約1800万バレルに達したことを報じた。 これには懐疑的な見方も多いものの、事実であれば、イラン攻撃前の2月末が平均 2000万バレルなので90%程度まで回復したことになる。問題はこれを継続させる ことができるのか否かだろう。 なお、米軍はこの護衛作戦として60か所のイランの施設を攻撃したという。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は過去最高値を更新するような勢いは ないが、逆に大きく崩れる気配もなく、高値圏でのもみ合いが続いている。 ドルインデックスは9月に入って反落しているが、直近は99ポイントの節目辺りで 下げ止まりの様相。 【米国原油は在庫が減少、製油所稼働率が今年最高】 米国内に目を移すと、直近の米エネルギー情報局(EIA)の週報では、8月に入り 増加傾向が続ていた原油在庫が前週比445万バレル減の4億2446万バレル。ガソ リン在庫も同117万3000バレル減の2億0567万バレルと、ともに減少してい た。 ガソリンはドライブ・シーズン(通常5月下旬のメモリアルデー〜9月上旬のレーバ ーデーまで)が時期的に最終段階に入っているが、製油所稼働率が98.0%と今年最 高となっており、需要の旺盛さを感じさせた。留出油在庫はヒーティングオイルなどの 冬季需要に向けた積み増しシーズンに入って来たこともあり、同79万6000バレル 増の1億0419万バレルとなった 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である2月限は2日に7万9800円の高値を付けたものの、8万 円の大台には届かず、ボリンジャーバンドの2シグマ(7万9030円辺り)に跳ね返 される形で反落。4日は7万5030円まで下落した。目先は7万5000円の節目や 21日移動平均線でもあるボリンジャーバンドの中心線(7万4520円辺り)を維持 できるか否かが試される。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油10月限はダブルトップ(7月23日の高値88.07ドル、20 日の高値87.69ドル)を上抜けたあと、上げ足を加速する形で90ドル台乗せ。さ らに3日には一代新高値となる93.14ドルを付けた。 ブレント原油11月限も似たような値動きとなり、3日には97.62ドルの一代新 高値。ボリンジャーバンドの2シグマ(96.56ドル辺り)を試す展開となってい る。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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