貴金属4品週間見通し=金は米利上げ観測の後退を受け底固く推移

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<金>
 NY金12月限は8月25日に4755ドルまで浮上した後は急反落に転じ、2日に
は4329.2ドルと8月7日以来の低水準まで軟化。ただ、その後は急速に値を戻し
て終値ベースでも4500ドル台を回復している。
 4700ドル台半ばから4330ドル前後まで下落した背景は、米国とイランの戦闘
の最終終結に向けた交渉のための覚書の期限が9月1日に切れるなか、両国の攻撃の応
酬が激化し、原油の高騰が続いたことでインフレ高進及び米利上げ観測が強まったこと
が背景として挙げられる。
 特にジャクソンホール会議で行われたウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長の
講演がインフレ率が目標の2%に向かって鈍化しているとの確信が得られなければ、F
RBには「やるべき仕事がある」と語って利上げの可能性を示唆するタカ派な内容だっ
たことが、米財務省の長期債買い入れ規模の倍増発表を受けて上昇基調を辿ったNY金
市場にとっての冷や水となった。
 ただ、その後はADP発表の米8月非農業部門雇用者数の伸びが事前予想を下回る弱
気な内容だったことが明らかとなったうえ、FRBのウォラー理事がディスインフレの
兆しがある、と語ったことによる早期利上げ観測の後退がNY金市場にとっての買い支
援要因となっている。
 また、米国とイランの情勢見通し不透明感から原油価格が高騰していることは世界的
なインフレ率の上昇をもたらすうえ、政府の債務増加を促す要因になるとの懸念から、
債券離れの動きが見られる一方で、米財政悪化に対する警戒感もドル離れの動きを促す
とともに、安全資産としての金を求める動きを刺激する要因になっている。
 また、 日本の利上げ観測を受けてドル売りの動きが見られることも、NY金市場に
とっての強気材料となる。
 目先のNY金市場の注目要因は9月15日から16日にかけて開催される公開市場委
員会(FOMC)となる。8月上旬の4100ドル台から8月下旬には4700ドル台
まで値を切り上げた後に反落に転じているため、目先の買いには一巡感が強いながらも
有事の金買いに支えられ、4500ドルが目先の支持線として意識されよう。4500
ドル割れとなった場合、次の支持線は短期線である5日間移動平均線が通る4472.
50ドルが下値のメドとしたい。
 ただ、4日に発表される米雇用統計、11日に発表される消費者物価指数(CPI)
の内容次第では、米金利政策に対する観測に変化が生じ、大きく高下する可能性もある
点に注意しておきたい。

<銀>
 NY銀12月限は8月28日から9月2日にかけて軟化し、一時は6388セント
まで値を落としたものの、3日には反発に転じて6700セント台を回復している。
 NY金の堅調に連動する動きで、独自の産業用としての需要増観測は既に織り込ん
でいると見られる。
 NY金の底固い動きが見込まれるため、6500セントを下値支持線にしての往来継
続が予想される。
<白金>
 NY白金10月限は8月28日から9月2日にかけて軟化に転じながらも1720ド
ルを割り込むと買い戻されたうえ、3日に1800ドル台を回復するなど、底意の強さ
を窺わせる動きとなっている。
 米利上げ観測の後退がNY金と同様にNY白金市場でも買い支援要因になっていると
見られるが、産業用としての需要増加観測には織り込み感が強く、ここからさらに値位
置を切り上げるための手掛かりに乏しい。
 NY金市場の動き次第ながら、目先は1800ドル前後での往来が続きそうだ。
<パラジウム>
 NYパラジウム12月限は8月4日以降、概ね1300ドルを下値支持線にしての
高下が続いている。
 8月28日に1491.50ドルまで値を伸ばした後に値位置を落としたことで目先
の高値を確認した感が強い。
 独自の需給要因に欠けるだけに、他貴金属の動向次第ながら1400ドルを挟んでの
高下になると見られる。
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