きょうの為替市場、ドル円は153円台での上値の重い展開となっている。前日に引き続き一時152円台に下落後、値ごろ感からの買い戻しも出ているものの、戻り待ちの売りが上値を抑えている。日銀の金融政策を巡る変化に加え、ベッセント財務長官の積極的な円安けん制姿勢も円買いを促しているようだ。 ベッセント長官は日米協調介入などの判断に際し、日本側や日銀がどう動くのかをかなり正確に把握していると発言。自身を「胴元」と表現し、円押し上げに向けた米国の姿勢を試そうとする市場の動きを強くけん制した。外国勢として米国債の最大保有国である日本の経済政策に、米財務長官が異例なほど深く関与していることも意識されており、円ショートを維持しにくい環境に繋がっている模様。 オプション市場でも一段の円高に備える動きが広がっている。ヘッジファンドの間では、ドル円が年末までに150円を割り込むシナリオを想定した取引に加え、期間が長めの取引では140円までの円高を視野に入れる動きも出ている。先週発表された堅調な米雇用統計にもかかわらず円が底堅さを維持したことで、円高基調への見方が強まっており、テクニカル面での悪化も円ショートの解消を促している。 ただ、海外のストラテジストからは、最近の急激な円高の持続性には懐疑的な見方も出ている。日銀が市場の織り込みを上回るペースで追加利上げを進めるのは難しく、むしろ今回の円高によって追加利上げを急ぐ必要性が薄れる可能性も指摘されている。また、日本当局は円安だけでなく、急激な円高も好ましいとは考えておらず、150円に近づくほど円の一段高へのハードルは高くなるとの見方も出ている。 このため、市場の焦点は来週のFOMCに移りつつある。FRBがタカ派姿勢を強調し、実際に利上げに踏み切れば、日米金利差が改めて意識され、足元の円高は反転する可能性がある。その場合、ドル円が155円を下回る水準に定着するのは難しいとの指摘もあり、FRBの政策判断が円高の持続性を左右する重要な材料となりそうだ。 日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は154.20円に観測されている。 9日(水) 154.20(4.5億ドル) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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