石油週間展望=米イラン協議の進展とフーシ派のサウジ攻撃の状況次第か

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
            [9月28日からの1週間の展望]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
         週間高低(カッコ内は日付)    9 月 24 日〜 9 月 25 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限  102,000   102,000(24)   102,000(24)  102,000        ±0
灯  油  先限  115,000   115,000(24)   115,000(24)  115,000        ±0
原  油 2月限   84,010    88,140(25)    81,470(24)   86,000      +2,490
======================================
                                       9 月 21 日〜 9 月 25 日
<海外原油> 週間4本値 始 値   高  値     安 値     終 値   前週末比
  NY原油 11 月限      96.75    97.22(21)  88.67(22)   92.41     -3.67
ブレント原油 11 月限     104.71   108.23(24)  97.36(22)  104.32     +0.45
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
25日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 158.06 前週末比 1.29円の円安
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【前週のレビュー】ニューヨーク原油11月限は101.69ドルの一代新高値を付け
た後に崩れた。直近の日足は長い下ひげを付けており、まだ高値圏での乱高下の範疇と
見ておきたい。国連総会でに出席する米国と湾岸協力会議(GCC)加盟国の各首脳と
の会談も予定されており注目したいとした。

【NY原油は急落後に0.618倍戻しも再び反落】
 ニューヨーク原油11月限はさらに崩れた後にV字型の切り返しとなっている。22
日に88.67ドルまで崩れた後、24日には96.78ドルまで急伸したが、その日
のうちに高値から2ドル以上急落して引けは94.61ドルだった。日足が長い上ひげ
を付けており、目先の戻り天井の可能性も出て来たが、材料的にはまだ波乱含みのた
め、再度の上値トライも十分にあり得るとみたい。
 11月限は101.69ドルの一代高値から前述の88.67ドルまでの下げ幅の
61.8%戻し(96.94ドル辺り)に届かず(ほぼ達成の見方も可能だが)、半値
戻し(95.36ドル辺り)を割り込んだ形。目先は38.2%戻し(93.78ドル
辺り)を維持して反発に転じるのか否かに注目したい。本稿執筆時の25日の午前には
前日の安値を割り込んで92.72ドルまで崩れた後、93ドル台に戻している。
 また、ブレント原油がニューヨーク原油以上の騰勢となり、期近の上ザヤが約12ド
ルまで急拡大している。ブレント原油11月限は納会が30日と近いこともあり、売り
方の踏み上げ模様となっているようだ。

 材料的には、国連総会が実施されるなか、22日にイランのアラグチ外相と米国のウ
ィトコフ和平交渉担当特使、トランプ米大統領の娘婿のクシュナー氏が3時間にわたっ
て協議した。3カ月振りの米国とイランの直接協議ということで、原油相場には圧迫要
因となったが、同日にトランプ米大統領が国連の一般討論演説で、イランに対する軍事
行動を正当化したうえで、「米国との合意に応じなければイランの壊滅も選択肢の一
つ」として、相変わらずの恫喝的発言を繰り返したことで、イラン側も態度を硬化させ
ている。
 イラン国営のプレスTVによると、同国軍事当局は声明で、トランプ氏の発言は「戦
場の現実を反映していない」として、もし再攻撃を受ければ、反撃する意思があること
を示した。また、イランがホルムズ海峡開放や協議開始の条件として、米国が難色を示
すのが確実な7つの条件を提示したことも報じられている。
 これらの流れに加えて、イエメンの武装組織、フーシ派が24日、サウジアラビアの
複数の石油施設を再び攻撃したことで、原油相場は再び噴き上げたが、ロイターが両国
関係者談として、両国が段階的な停戦案を模索していると報じたことが直近の戻り高値
からの下落要因となっている。イランがホルムズ海峡を開放する見返りに、米国が対イ
ラン経済封鎖を解除して、イランが凍結資産へのアクセスを回復する可能性もあるとい
う。
 いずれにせよ、ニュース次第で乱高下する状況に変化はなく、目先は米国とイランの
協議の進展具合とフーシ派のサウジ攻撃状況次第となっており、上にも下にも波乱含み
とみておきたい。

 そのフーシ派の攻撃により稼働を停止していたサウジの東西石油パイプラインは22
日に一部で稼働を再開したことが報じられたが、同国の紅海側の主要積み出し港である
ヤンプー港(積み出し能力=日量700万バレル)からの積み出しは23日現在、実施
されていない。ただ、23日もタンカー2隻が積載待ちで待機しており、24〜27日
にかけてさらに6隻の積載が予定されている。今後はフーシ派の攻撃次第の側面も大き
いが、実際に積み出しが報じられた場合は圧迫要因となる可能性がある。

 24日の米中首脳会談については、中東情勢の安定化に寄与などの紋切り型の評価は
されたが、貿易問題が山積するなか、中国がイラン産原油の輸入を減少、逆に米国産原
油の輸入を増加させるなどの具体策が確約されることはなく、原油相場に対するインパ
クトは大きくなかった。
 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は上値重く、8月の過去最高値を付け
た以降の安値を試す展開となっている。直近は5万1000ドル台まで軟化。
 ドルインデックスはさらに上昇して、101ポイント台前半まで戻している。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である2月限は、いったん8万5000円の節目で上値抵抗にあっ
たが、それを突破すると、上昇中のボリンジャーバンドの2シグマ(8万7090円辺
り)に沿った上昇に戻った。ただ、25日には一代新高値の8万8140円を付けた後
に引けは8万6000円まで崩れて、日足は長い上ひげを付けた。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油11月限は15日に付けた101.69ドルの一代高値から崩れ
て、安値は22日に88.67ドルまであったが、90ドルの節目や21日の移動平均
線でもあるボリンジャーバンドの中心線(91.29ドル辺り)を挟んだもみ合い後に
すぐに反発して、24日は高値でボリンジャーバンドの1シグマ(87.02ドル辺
り)に迫った後に上げ幅を大きく縮小して日足は長い上ひげを付けた。
 ブレント原油11月限も似たような値動きで急落も、100ドルの節目やボリンジャ
ーバンドの中心線(99.80ドル辺り)に支えられて急反発して、24日にはボリン
ジャーバンドの1シグマ(105.87ドル辺り)を上回った。

<当面の予定>
28日【経済】金融政策決定会合議事要旨公表 7月30-31日分(日本銀行)
   【発会】バージガソリン・灯油・軽油・中京ローリーガソリン・灯油
             2027年4月限(東京商品)
   【経済】中国工業利益 2026年8月(国家統計局)

29日【経済】貿易収支 2026年8月確報(財務省)
   【経済】景気動向指数 2026年7月改定状況(内閣府)
   【経済】英マネーサプライ 2026年8月(BOE)
   【経済】米住宅価格指数 2026年7月(連邦住宅金融局)
   【経済】米ケース・シラー住宅価格指数 2026年7月(S&P)
   【経済】米消費者信頼感指数 2026年9月(カンファレンスボード)
   【工業】米週間石油統計(API)

30日【経済】鉱工業生産指数 2026年8月速報(経済産業省)
   【経済】小売業販売額 2026年8月速報(経済産業省)
   【経済】自動車生産・輸出実績 2026年7月(JAMA)
   【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【決済】プラッツドバイ原油 2026年9月限(東京商品)
   【経済】中国製造業購買担当者景況指数 2026年9月(中国物流購買連合会)
   【経済】中国非製造業購買担当者景況指数 2026年9月(中国物流購買連合会)
   【経済】中国製造業購買担当者景況指数 2026年9月(RatingDog)
   【経済】中国サービス業購買担当者景況指数 2026年9月(RatingDog)
   【経済】独雇用統計 2026年9月(連邦雇用庁)
   【経済】独消費者物価指数 2026年9月速報(連邦統計庁)
   【経済】仏消費者物価指数 2026年9月速報(INSEE)
   【経済】仏生産者・輸入物価指数 2026年8月(INSEE)
   【経済】英国内総生産 確報値 2026年4-6月期(国立統計局)
   【納会】英ブレント原油 2026年11月限(ICE EUROPE)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米雇用統計 2026年9月(ADP)
   【経済】米国内総生産 2026年4-6月期確報値(商務省)
   【経済】米個人所得・支出 2026年8月(商務省)
   【経済】米卸売在庫 2026年8月速報値(商務省)
   【経済】米シカゴ購買部協会景気指数 2026年9月(シカゴ購買部協会)
   【工業】米週間石油統計(EIA)
   【納会】米改質ガソリン・ヒーティングオイル 2026年10月限(NYMEX)

 1日【経済】短観 概要及び要旨 9月調査(日本銀行)
   【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 9月13日-9月19日(財務省)
   【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 9月20日-9月26日(財務省)
   【経済】新車登録台数 2026年9月(自販連)
   【経済】軽自動車新車販売速報 2026年9月(全軽自協)
   【発会】プラッツドバイ原油 2027年12月限(東京商品)
   【休日】中国国慶節
   【経済】ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2026年9月確報(Markit)
   【経済】ユーロ圏雇用統計 2026年8月(EUROSTAT)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)
   【経済】米建設支出 2026年8月(商務省)
   【経済】米製造業景況指数 2026年9月(ISM)
   【経済】米新車販売台数 2026年9月(Autodata)

 2日【経済】労働力調査(失業率) 2026年8月(総務省)
   【経済】一般職業紹介状況(有効求人倍率) 2026年8月(厚生労働省)
   【休日】中国国慶節
   【経済】ユーロ圏消費者物価指数 2026年9月速報(EUROSTAT)
   【経済】米雇用統計 2026年9月(労働省)
   【経済】米製造業新規受注 2026年8月(商務省)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
    【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

MINKABU PRESS

*投資や売買については御自身の判断でお願いします。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。