ドル円は156円台 下げ渋るも円高が上値圧迫=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル円は156円台 下げ渋るも円高が上値圧迫=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は157円台に買い戻されていたものの、再び156円台に戻す展開。ドルは底堅く推移しているものの、それ以上に円高がドル円を圧迫している。200日線を下放れた状況が続いており、155円を割り込むようなら、短期的に160円を目指す流れから150円を目指す流れに逆転しそうな気配も出ている。

 円高の背景にAIを巡る過剰投資への懸念や信用不安が言われている。安全資産の米国債が買われ、米金利が落ち着きを取り戻していることもドル円の重しとなっている。一部のストラテジストからは「IT・ハイテク株の下落が続けば、円高が一段と進む可能性がある」との指摘も出ている。

 日本国債への旺盛な需要も円を下支え。国内外の投資家が日本国債の購入を増やしており、直近の20年国債入札では過去最高の需要が集まった。国内金利の上昇で日本国債の投資妙味が高まっていることが背景にある。オプション市場でも円高を見込む動きが強まっている。1週間物のリスクリバーサルは10月6日以来の円強気水準となり、ボラティリティも3週間ぶりの高水準に上昇。来週のFOMCや日銀決定会合を控え、円高への警戒を強めているようだ。

 一方、今回の円高は新規の円買いではなく、円売りポジションの巻き戻しが中心との見方もある。有事のドル買いや原油高もドルを支えており、持続的な円高トレンドへの転換には慎重な声も聞かれる。

 ユーロドルは3日続落。節目の1.12ドルの水準は維持しているものの上値は重い。21日線が1.1240ドル付近に来ているが、その水準で上値を抑えられ、下向きの流れを継続している。一方、ユーロ円は円高の流れが続いており、昨年10月以来の安値水準での取引となっている。一時175.10円近辺まで下落。

 アナリストは、この日の10月分のユーロ圏PMI速報値について、フランスを除けば第4四半期初めも比較的堅調な成長が続いていたと指摘。総合PMIは前月の53.1から51.9に低下していたが、フランスが48.4に落ち込んでいた。「ユーロ圏第2位の経済大国であるフランスの景気は明らかに悪化方向に向かっている」と述べている。

 一方、ユーロ圏全体の景気指標は比較的底堅さを維持しており、ECBには引き続きタカ派な圧力がかかる可能性があるとも指摘。エネルギー価格上昇を主因に、ユーロ圏全体の仕入価格は再び大幅に上昇しており、エネルギーショックが企業のコスト負担を押し上げていることが示された。ただ、フランスPMIの弱さは、ECBが直面する政策判断の難しさを浮き彫りにしているという。

 ポンドドルは上げが一服し、1.33ドル台に伸び悩む展開。1.3390ドル付近に来ている100日線を再び下回っている。10月中旬からのリバウンド相場がどうなるのか、来週以降の動きが注目される。

 本日は10月の英PMI速報値が発表になっていたが、予想を上回りイラン紛争開始以来の高水準に上昇していた。これについてエコノミストは「エネルギー価格や借り入れコストの上昇にもかかわらず、英経済が引き続き底堅く推移していることを示している」と指摘。「今回の結果を受けて英中銀は、11月5日の金融政策委員会(MPC)での利上げに一段と自信を深めるだろう」と述べている。

 今回のPMIは、英GDPが第3四半期に前期比0.7%増となった後、第4四半期も0.3-0.4%増となる見通しと整合的だという。ただ、最近のGDPはPMIが示唆する水準を上回っていると指摘。一方、PMIには小売業が含まれておらず、金曜日に発表された統計では小売部門の弱さが示されていると付け加えた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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