株価指数先物 【週間展望】―自律反発狙いの買いを意識

配信元:株探
著者:Kabutan
 今週の日経225先物は、日米の金融政策決定と主要ハイテク企業の決算、原油相場や金利動向をにらみ、値動きの荒い展開が見込まれる。翌週11月3日に米中間選挙を控えて、積極的にポジションは積み上げづらく、短期売買を中心に方向感が定まりにくい展開になりそうである。

 10月27~28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きが予想されるが、ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見で追加利上げに向けた姿勢が示されるかが焦点となる。また、29~30日の日銀金融政策決定会合でも金利据え置きが見込まれ、展望レポートや植田和男日銀総裁の会見を受けた金利・為替の反応に注意が必要だろう。

 米国では29日に、FRBが金融政策の判断材料として注目する9月の個人消費支出(PCE)コア価格指数が発表される。前回8月の結果を受けて10月の追加利上げ観測は後退したが、9月のPCEコア価格指数の結果次第では、次回12月8~9日開催のFOMCでの追加利上げの可能性や、その後の金融政策を巡る見方に影響を与えよう。

 原油相場の動向も警戒要因である。WTI原油先物は再び1バレル=100ドル台に乗せており、23日には103ドル台と約6カ月ぶりの高値水準に上昇した。トランプ米大統領は米中間選挙後にイランへの攻撃を再開する可能性を排除しておらず、軍事衝突の激化が懸念されて原油相場が一段と上昇する可能性もある。インフレ懸念の再燃を通じて長期金利にも影響を与える展開が警戒されそうだ。

 また、足元では人工知能(AI)の収益性や過剰投資に対する懸念から、半導体やAI(人工知能)関連株の調整が強まっている。米国では21日にメタ・プラットフォームズが7-9月期決算を発表。良好な決算内容にもかかわらず、巨額のAI投資負担がマイナスに受け止められている。

 今週は27日にテラダイン、28日にマイクロソフト、アルファベット、29日にアマゾン・ドット・コム、インテル、サンディスクの決算発表が予定されている。国内では28日にアドバンテスト<6857>[東証P]、30日にはキオクシアホールディングス<285A>[東証P]の決算発表が控える。決算を受けた市場反応によってはAI・半導体関連株の物色に影響を与えるほか、先物市場でも波乱要因となる可能性には注意が必要だろう。

 23日取引終了後に4-9月期決算を発表したファナック<6954>[東証P]は、今期2度目となる通期業績予想の上方修正に加えて自社株買いを発表した。好決算がポジティブ視されるようだと、同社が推進する「フィジカルAI」を手掛かりに、AI関連株への物色が再燃する可能性があり、株価反応に対する投資家の注目度は高そうだ。

 日経225先物はこうした重要イベントを消化していくことになるが、前週はボリンジャーバンドの-1σ(6万3980円)水準での攻防が続くなか、22日の下げで同バンドを明確に割り込んだ。23日には一時6万1630円まで下げ幅を広げ、200日移動平均線(6万1390円)に接近する場面もみられた。その後は下げ幅を縮め、日中の高値圏で取引を終えた。安値から1280円戻しており、チャート上では長い下ヒゲを形成したことで、いったん自律反発狙いの買いが意識されやすい。

 週足では-2σ(6万1800円)を一時下回ったものの、その後の切り返しで同バンドを回復し、-1σ(6万3810円)までのゾーンに戻している。再び-2σを下回るようだと、-3σ(5万9780円)や52週線(5万9600円)が射程に入ってくる。ただ、これまでは-2σ水準から切り返しをみせており、売られ過ぎ感が意識されやすい。改めて-2σを割り込む局面では-3σに接近する可能性はあるものの、その後のショートカバーを想定した押し目狙いのロング対応が考えられよう。

 一方、リバウンド機運が強まったとしても、週足の-1σに接近する場面では強弱感が対立し、戻り売り狙いのショートを誘いやすいだろう。自律反発を想定しつつも、本格的なロングに向かうタイミングとしては、米中間選挙や主要企業の決算発表を通過してからとみられ、オプション権利行使価格の5万9500円から6万5500円辺りのレンジを想定する。

 23日の米VIX指数は19.45(22日は19.03)に上昇したものの、前週末の19.99を下回った。16日に一時22.31まで急伸した反動から週前半は低下傾向が続き、21日には16.51まで下げる場面もみられた。ただ、週後半には再び200日線(18.21)を上抜け、23日には一時20.66まで切り上げた。終値では心理的な節目となる20.00を下回っているものの、200日線が支持線として意識されるようだと、投資家のリスク回避姿勢が再び強まる可能性がありそうだ。

 23日のNT倍率は先物中心限月で15.84倍(22日は15.74倍)に上昇したものの、前週末の16.05倍からは低下している。引き続き半導体やAI関連株の変動に振らされやすい状況であり、ポジション調整の動きが強まっているようだ。週末には一時15.56倍まで低下し、9月15日につけた直近安値(15.56倍)に並んだことで、NTショートの巻き戻しを誘ったようだ。ただ、ナイトセッションでは15.77倍に上昇しており、200日線(15.84倍)や-1σ(15.85倍)が抵抗線として意識されるようだと、再び-2σを意識したNTショートに振れやすくなる。

 なお、今週は30日にTOPIXの第1回定期入替えが実施されるほか、既存銘柄の浮動株比率の変更も行われる。29日の大引けに向けて指数連動ファンドによる現物株のリバランス売買が膨らみそうだ。一方、現物バスケット売買に伴うヘッジ目的の先物取引や裁定ポジションの調整も想定され、TOPIX先物は一方向の需給に傾くというより、売り買いが交錯する可能性がある。なかでもキオクシアのウエイト引き上げに伴う大規模な買い需要が見込まれており、日経平均型にも影響を与えよう。

 10月第2週(10月13日-16日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算で2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は9953億円(10月第1週は1兆1062億円の買い越し)だった。現物は3654億円の売り越し(同1兆4318億円の買い越し)と3週ぶりの売り越しであり、先物は6299億円の売り越し(同3256億円の売り越し)と3週連続の売り越しだった。個人は現物と先物の合算で3656億円の買い越しと、3週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で2485億円の買い越しとなり、2週ぶりの買い越しだった。

 主要スケジュールでは、10月26日に中国共産党第20期中央委員会第5回全体会議(5中全会、~29日)、27日に米国10月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米国9月新築住宅販売件数、28日に権利付き最終日、FOMC終了後に政策金利、ウォーシュFRB議長の記者会見、アルファベット・マイクロソフト決算、29日に米国7-9月期GDP、米国9月個人所得、米国9月個人消費支出、ECB(欧州中央銀行)政策金利、ラガルドECB総裁記者会見、アマゾン決算、30日に日銀金融政策決定会合終了後に政策金利、植田和男日銀総裁の記者会見、9月鉱工業生産などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   終値  前日比
26/12 10月23日  63000  63570  61630  62910  -290
26/12 10月22日  64970  65260  63050  63200  -1580
26/12 10月21日  64090  65540  63850  64780  +380
26/12 10月20日  64720  65260  63950  64400  -580
26/12 10月19日  65600  65740  63570  64980  -540
終値は取引所発表の「清算値(帳入値)」を表示

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   終値  前日比
26/12 10月23日  4000.5  4024.5  3914.5  3970.0  -43.5
26/12 10月22日  4062.0  4082.0  3996.5  4013.5  -38.5
26/12 10月21日  4014.0  4073.0  4004.5  4052.0  +27.0
26/12 10月20日  4063.5  4076.5  4005.5  4025.0  -51.0
26/12 10月19日  4080.0  4101.0  4016.0  4076.0  -5.5
終値は取引所発表の「清算値(帳入値)」を表示

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
10月23日(12月限) 62640 -270
10月22日(12月限) 62680 -520
10月21日(12月限) 65015 +235
10月20日(12月限) 64940 +540
10月19日(12月限) 64705 -275
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い      前週末比
10月16日    575億円  +182億円  2兆7474億円  +380億円
10月09日    393億円  +36億円  2兆7094億円  +2453億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
10月21日    803万株   -466万株  8億4452万株   +3583万株
10月20日    1269万株    +47万株  8億0868万株   -4893万株
10月19日    1222万株    +3万株  8億5761万株   -3563万株
10月16日    1218万株   +884万株  8億9325万株   -1901万株
10月15日    334万株   -440万株  9億1226万株   +2996万株

□NT倍率
10月23日  15.84
10月22日  15.74
10月21日  15.98
10月20日  16.00
10月19日  15.94
10月16日  16.05

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