ドル円、ドルのショートカバーを円ショートの巻き返しが相殺=NY為替チェック

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 一連のイベントを通過してドル円は112円台前半での推移が続いている。きょうもドル買い戻しの流れが続いているものの、ドル円は上値の重い展開となった。

 トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都として認定する方針を表明したことで、市場は中東情勢への地政学リスクを意識している。きょうの日経平均は大幅安となっていたが、円相場もリスク回避の円高が強まりドル円を圧迫している。トランプ大統領からのノイズは常にそこにあるリスクとうことを再認識させられる。

 一時111円台を付ける場面も見られたものの、米株がプラス圏で推移していることから、いまのところ112円台は維持されている格好。ただ、米国債利回りは長短とも低下しており、ドル円にとってはポジティブな雰囲気はない。

 この日発表になったADP雇用統計は予想通りだったほか、第3四半期の労働生産性は予想を下回ったものの、大きな反応はなく通過している。

 米税制改革法案や債務上限引き上げなど米政治関連のイベントへの期待感から、年末に向けてのポジション調整が続いており、ドルはショートカバーが優勢となっている。ドル円にとってはポジティブな流れではあるものの、積みあがった円ショートの巻き返しに相殺され上値は相変わらず重い印象だ。

 目先は10日線が111.95円付近、100日線が111.60円付近に来ており下値サポートとして意識される。上値は112.45円付近に21日線が来ている状況。きょうの下げで21日線が再び重くなっている模様。

USD/JPY 112.29

minkabu PRESS編集部 野沢卓美 

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