【これからの見通し】あすの米雇用統計を控えて、値動き落ち着く

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】あすの米雇用統計を控えて、値動き落ち着く

 今週のマーケットは、材料が多い割りには値動きはそれほどでもない。ドル円は先週からのドル高志向をみせているが、113円台に乗せると上値を抑えられている。一方、下押しも112円台はキープされている。ユーロドルは1.17台からなかなか抜け出せない。レンジから外れるとすぐにレンジ内に押し戻されている。ポンドドルは週初に水準を下げたあとは、1.32台を離れず、方向性は弱まっている。

 ただ、相場の火種は残っており、昨日のカタルーニャ州首相の会見からは中央政府との対立が鮮明だった。スペイン株価指数は、住民投票後の下落の動きが止まらない状況。きょうの株式動向も注目される。また、ポンドの上値の重さにはEU離脱をめぐる英政権内の不協和音があるようだ。EUとの交渉が難渋しており、時間が掛かれば掛かるほど、離脱についてのハード派とソフト派の対立が強まる可能性があろう。

 その一方で、米株式市場は最高値を連日更新。12月FOMCでの利上げ観測は8割程度に高止まりしており、今後も緩やかなペースでの利上げを継続との穏当な見方が安心感につながっているようだ。次期FRB議長人事をめぐる話題が多くなっており、相場の関心がそらされている感もある。きょうは明日の米雇用統計を控えたタイミングとあって、動きにくい相場状況が続きそうだ。

 経済指標は、米国とカナダの貿易収支(8月)、米新規失業保険申請件数(30日までの週)、米製造業新規受注(8月)などが発表される。欧州時間にはECB理事会議事録が公表される。
 
 発言関連では、マカファティ英政策委員とホールデン英政策委員・チーフエコノミストの講演が注目される。このところ上値を抑えられているポンド相場だが、利上げ派のマカファティ委員の認識はどうか。米国では、パウエルFRB理事、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、ジョージ・カンザスシティ連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。ハーカー総裁とジョージ総裁は、労働力に関する会合に参加する。明日の米雇用統計に向けたヒントはでるか。
 
minkabu PRESS編集部 松木秀明   

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