きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となった。前日のイエレンFRB議長の講演が予想以上にタカ派な印象だったことで市場は12月利上げ期待を再び高めている。また、きょうの現時時間の夕方にトランプ大統領から公表される予定の税制改革案への期待もドル高に繋がっているようだ。 事前の報道では焦点の法人税減税について、トランプ大統領は15%を主張しているが、現実的な路線で20%というのが落とし所との見方も出ている。そのぼか、米企業の約95%を占める個人事業主やパートナーシップの出資者に課税するパススルー課税を25%程度に引き下げる案や、企業が海外に保有する資産を国内に還流する場合の一時的な優遇課税なども盛り込まれる見通し。 所得税に関しては、最低税率を引き上げる一方で、最高税率の引き下げが検討されている。ただし、低所得者層の増税を回避するために所得控除の拡大もセットで打ち出されるようだ。 ドル円は7月14日以来の113円台に上昇し、113.25付近まで一時上昇した。ただ、上昇して始まった米株の上値が重く、ダウ平均が一時下げに転じる中、ドル円も戻り売りが強まっている。円高の動きも見られ、ユーロ円やポンド円といったクロス円も下げ足を早めている状況。 上値には本邦勢の売りも厚く観測されていたようだが、期末接近もあり、113円台での上値が重かったことから、一旦見切売りが強まっているものと思われる。現在は112円台半ばまで伸び悩む動き。 一方、ユーロドルは一時1.17台前半まで下落する場面も見られたが、1.1765付近まで戻している。 カナダドルが急速に下落。カナダ中銀のポロズ総裁の講演が伝わっており、「経済は力強いが、賃金の伸びは予想よりも鈍い。金利に予め決まった道筋はない」などと述べたことが売りに繋がっている。早ければ年内にも追加利上げ期待が市場には高まっている中、総裁の発言はやや冷や水になった模様。カナダ円は91円台前半から90円台半ばに下落。 みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
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